DBエンジン開発ストーリー7(最終回)

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ASPサービスとDBエンジンの関係

この話の冒頭にも触れましたが、私たちはASPサービスをやっています。

ASPサービスとは、会員企業向けにインターネット経由で私たちが開発したアプリケーションを利用できるようにするサービスです。

具体的には、APサーバー上にユーザー毎の環境が準備され、これを、それぞれのユーザー毎の複数のクライアントがブラウザから入って利用することが出来るようになっています。共用サーバーを前提にしたコースの場合、1台のAPサーバーに平均40ユーザー(会員企業)、100クライアント(接続台数)が繋がっています。

もし、このアプリケーションのDBMSをOracleにしていたら、私たちは大変な額のライセンス料を支払う必要があり、当然月額利用料にも反映させざるを得ません。

これは大きなアドバンテージであるのですが、それだけではありません。

私たちのDBエンジンは非常にシンプルに出来ています。1台のサーバー上で、アプリケーションが何本同時に立ち上がっていても、DBエンジン自体の消費するメモリーは必要最小限のアプリケーション毎のバッファメモリーだけです。

ですから、あまり大きな声では言えませんが、APサーバーもDELLから通販で買った最低限のスペックのマシンでも十分なパフォーマンスが出ることになります。結果的にこのことも月額料金を低く押さえることが出来る大きな要因なのです。(1回目に梅田さんのBlogに触れたのもこのことです)



ウォーラブルコンピューティングの世界

私たちのプロジェクトは、2015年私たちの世界はどうなっているか、を考えることからスタートしました。ホームページの中のkaiレポートで書いた

「西暦2015年のオフィス、家庭、お店を想像してみて下さい。そこら中の壁がモニター化しているのが見えませんか?(これを私はウォーラブル(wall+able)コンピューティングと呼んでいます)

そうです、2015年には壁一面がモニターになっていて、私たちは、このパーソナル化したモニターを通して、コミュニケーション、エンターテイメント、エデュケーション、メディカルチェック、ショッピングなどに、1日の起きている時間の半分以上を費やしているはずです。

このモニターの中の世界を、現実世界のリアルランドに対するもう一つの世界、アナザーランドと呼びます。」

この世界のインフラとなる製品を作りたいという、夢を実現させるプロジェクトです。

この世界では、コンテンツとソフトウェアが融合した様々なサービスが開発され、提供されています。ここに、私たちが開発したDBエンジンとアプリケーションがどう繋がっていくのか、未だ定かではありませんが、しかし、着実に一歩一歩近づきたいと思っています。 KAI