今起こっていることは、まさに「知の爆発」であります。つぎつぎと未知なる発見が繋がっていくのであります。
昨晩放送されたNHKBS4Kの番組「フロンティア」、テーマは「ダークマター」。
昨年末からニュースで見てはいたのでありますが、この番組を見て初めて、いま何が起こっているのかKAIは正確に理解できたのであります。
ダークマターと考えられる未知の素粒子、WIMP。
ガンマ線とは、X線よりさらに光子エネルギーが高い電磁波の総称。今回20GeV付近で特に強いこのガンマ線が観測されたことにより、これが陽子の約500倍の質量を持つ素粒子WIMPの対消滅によるガンマ線である可能性が出てきたのであります。
100年前から理論的に予言されていたダークマターの存在であります。それがついに直接に観測された可能性があるとのお話であります。
直感的に、この500倍の質量と、それに作用する重力、そして量子もつれによる時空、これらすべてが繋がっていると考えるのでありますが、まずは東京大学の発表からであります。
発表概要このダークマターと思われる500倍の質量をもつ素粒子とはどんな位置づけの素粒子か、それをあらわす図がこちらであります。
東京大学大学院理学系研究科の戸谷友則教授は、フェルミガンマ線観測衛星(注1)の最新データを解析し、我々が住む天の川銀河(銀河系)の中心方向から、約20ギガ電子ボルト(GeV)のガンマ線(注2)が、角度にして30度以上にぼんやりと広がって放射されていることを発見しました。その性質は長年探し求められてきた暗黒物質(注3)のシグナルとよく合致しており、天の川銀河を球状に取り囲んでいるとされる暗黒物質の「ハロー」(注4)において、2つの暗黒物質粒子が対消滅(注5)してガンマ線に転化していることを示唆します。これが事実であれば、人類は初めて暗黒物質を「見た」ことになり、天文学・物理学における最大の問題の一つがついに解決されることになります。今後は、さらなる研究や検証により、これが本当に暗黒物質からのガンマ線であることを立証することが重要です。(発表内容略)
用語解説
注1 フェルミガンマ線観測衛星
2008年に米国NASAによって打ち上げられ、現在も稼働中のガンマ線天文観測衛星。米国を中心とする複数の国の共同プロジェクトで、日本も参加している。今回使用したのはそれに搭載されたLATと呼ばれる観測装置のデータで、約0.1 GeV から1000 GeV のエネルギー帯域で観測を行っている。↑注2 ガンマ線
X線よりさらに光子エネルギーが高い電磁波の総称。ギガ電子ボルト(GeV)はガンマ線光子のエネルギーの単位で、1電子ボルト(eV)の10億倍。↑注3 暗黒物質(注 ダークマター)
天体の動きと重力の法則から、星として光っている物質の約10倍もの量の暗い物質があることが1930年代から指摘され、暗黒物質と呼ばれる。すべての銀河は暗黒物質のハローに囲まれて存在し、宇宙全体でも、元素など通常物質の約5倍の密度であまねく存在しているとされる。↑注4 ハロー
我々が住む天の川銀河の中の恒星は中心部のバルジと、その周りの銀河円盤に沿って分布しているが、そのおよそ10倍にもわたる大きさの、暗黒物質でできた球状のハローが存在するとされる。以下の図3参照。↑図3:天の川銀河の模式図(日本天文学辞典 https://astro-dic.jp/galactic-halo/ より)
ハローの物質密度はどこでも同じではなく、天の川銀河の中心部に向かって高くなっていく。したがって、ハローがガンマ線で輝いているとすれば、天の川銀河の中心方向にむかってぼんやりと広がった放射が見えると予想される。注5 対消滅
2つの同種の粒子(粒子とその反粒子)が衝突して、光子など他の粒子に変化する素粒子反応の総称。例えば、電子と陽電子が対消滅して光子に変わる、など。↑注6 WIMP
Weakly interacting massive particle (弱く相互作用する重粒子)の略。質量が陽子の10倍から10万倍程度の範囲にあり、他の素粒子と弱い相互作用しかしない仮説上の素粒子。現在の素粒子標準理論を拡張したときに現れる素粒子で、暗黒物質の存在量を自然に説明できるため、暗黒物質の最有力候補の一つとされている。↑注7 銀河面
太陽系は天の川銀河の円盤(銀河面)上に存在するため、空を見ると円盤の中の恒星が集まって一筋に見える(天の川)。↑
(暗黒物質がついに見えた!?ー天の川銀河のハローから高エネルギーガンマ線放射を発見ー、DATE2025.11.26 #Press Releases)
標準理論の素粒子たち(A3版)(pdf) 8MBそしてこの素粒子の質量に働く重力を生み出す時空間が、量子もつれから生成される様子を説明しましたのが、こちらのエントリーであります。
量子もつれとは、異なる場所にある粒子のスピンなどの量子状態が独立に記述できないという現象で、アインシュタインは「奇怪な遠隔作用」と呼びました。本成果はこの量子もつれという現象こそが重力現象の基礎となる時空を生成するということを示したものです。■今回の、ダークマターと見られる素粒子の、陽子の500倍の質量大栗博司主任研究員は「量子もつれは、ブラックホールの情報問題 (注3) や防火壁問題 (注4) など、一般相対性理論と量子力学の統一に関する深い問題と関わっていることが知られていました。今回の論文は、この量子もつれの現象と時空間の微視的構造との関係を、具体的な計算で明らかにしたものです。量子重力 (注5) の研究と、情報科学との連携は、今後ますます重要になると考えられ、私自身、引き続き量子情報 (注6) の研究者との共同研究を進めています。」と話します。
(知の爆発−−直感を疎かにしてはいけない(12)、投稿日:2025年8月31日)
■この質量に働く重力を生み出す時空間
■この時空間自体が、量子もつれから生成されている
これらから導かれるKAIの直感は、といいますと、
・いままでなぜ500倍もの質量の物質(素粒子)が見つけられなかったかと言うと、この素粒子自体が時空に埋め込まれている(コンパクト化)のではないか
・量子もつれ現象が時空の本質であるならば、時空は二重化されているのではないか
・この二重化された時空の中の質量とは…
はてさてこんな妄想を夢見ながら、今回はお仕舞とするのであります。 KAI