April 09, 2006

量子が変える情報の宇宙

量子が変える情報の宇宙(日経BP社、ハンス・クリスチャン・フォン=バイヤー、2006/03)。KAIはこういった本に出会うと、心底から心が打ち震えます。

エレガントな宇宙(草思社、ブライアン グリーン、2001/12)に出会ったときも、1週間、むさぼり読みました。真に理解した人間の書く文章にはチカラがあります。しかも研究の最先端を担う人間が書く文章は、たとえそれが翻訳であろうと、一言一句に意味とその意味のパワーがあります。KAIは、この書籍で、ひもの世界^^;が、すべてみえました。

で、情報の宇宙です。

物理学を記述する言語は数学であり、数学は数字を扱う学問であるため、あらゆる物理法則を構成する上で不可欠なのは、特性に数量を当てはめる、定量化という行為である。このため、新たな用語はほとんどの場合、「操作的定義」、すなわち定量化の手順を用いて導入されるが、その際には、その定量化の対象が何ものかを真に理解する必要はないのである。例えば温度がまさにそれで、1600年ごろに、物理学や化学において温度が中心的役割を持ちはじめたとき、それは温度計によって定量化した数量、すなわち目盛りの数値以上の何ものでもなかった。経験が蓄積され、異なる種類の温度計が示す値の比較が行われ、そしてさまざまな実験によって熱の性質に関する知識が増えることで、一九世紀中ごろについに、温度は分子の平均速度の尺度であることが明らかになった。「温度」という単語の操作的定義から、その真の意味の理解に至るまでには、二五〇年という年月がかかったのである。(p.42)

えらい長い引用ですが、KAIの今の思いのすべてが、ここに記されています。

リアルの世界で、今のアナザーランド・サポートを3年以内にIPOしてビジネスとして一人前に育て上げることに心血を注ぐことが、今のKAIにとって最重要課題です。しかし、それ以上に、このビジネスを何のためにやるのか、これこそ半世紀以上生きてきた筆者にとって、あと半世紀生きる^^;と言う、大きな目標達成のための、欠かせない重要なテーマです。

心が情報によってすべて解き明かされる世界は、実は、筆者は望んではいません。しかし、着実にその世界に近づきつつあると言うことを、この本を読んで実感しました。 KAI

投稿者 : April 9, 2006 07:59 PM | トラックバック
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