September 21, 2011

考え続けることの大切さについて

ちょうど、こんなことを考えて続けているからこそ、こんな素敵な文章との出会いがあるのであります。

夢の実現のためのヒント

「好き」なことを研究して仕事にしたいと夢を語る子供。

「どうやったらその夢が実現できますか?」と。

それに対し、本居宣長の偉業を例に出す太田。

本居は学問的好奇心だけで趣味で『古事記』と「一生付き合い」最終的には、それを解読した。

そして、本居宣長を評した小林秀雄の言葉について語り始める。

対象と長ーく付き合う事、何十年も付き合っていればそのことが理解できるってことが学問。っていうのを小林秀雄が言ってて。

その人の喩えで僕が感動したのは、君たちのお父さん、お母さんが、君たちを産んでずっと今まで十何歳まで育ててきたわけだよね。

そうすると例えば君たちがなんか元気なさそうにしてるとさ、(親は)「学校でなんかあった?」ってピンとくるわけだよ。

それが学問なんだって。

だから普通の親は君たちを学問として勉強しようと思ってるんじゃないんだけど自然と君たちに興味があるから君たちのことが全部分かるようになる。

だから、夢を叶えたいっていうのは、その興味を持ち続けて長ーくその対象と付き合う、付き合い続けるってことじゃないかなって気がしますね。


「未来はいつも面白い」太田光の最後の授業

例えば、宇宙。

宇宙は、KAIにとって、中学生時代、相対性理論の本に没頭して以来の永遠のテーマでありますが、これがやっと具体的なかたちで、イメージできるようになったのであります。

宇宙とは、137億年前のビッグバンによって誕生したこと、この137億光年の拡がりを持つ宇宙全体は約4%の既知の物質と、20%から20数%のダークマターと言われる未知の物質、残りがダークエネルギーと言うこれまた未知のエネルギーで満たされていること、この宇宙全体は星の集合である銀河が一様に分布しているのではなくあたかも巨大な泡が無数にあってこの一つ一つの泡の表面膜の上に集中的に分布していること、この宇宙の膨張は減速するのではなく逆に加速度的であること、などなどが最先端の観測によって、はっきりと目で確認できるようになってきたのであります。

 人類の宇宙観に革命を起こし続けている『ハッブル宇宙望遠鏡』。地上600キロの大気圏外にあり、大気の影響の受けないため、ゆらぎないクリアな映像で、彼方にある数千億個の星々が集まる"銀河"すら鮮烈に映し出すことができます。
 これまでの地上観測により、地球の近くの銀河は、石けんの泡のような形に集っていることがわかってきました。泡の膜の部分に銀河が群れ集まり、泡の中は銀河がなく空っぽになっています。この銀河が作り出す泡構造は、地球の近くだけのことなのか、それとも遙か彼方まで続く構造なのかは、ながく謎に包まれていました。これを解くため、世界中から100名をこえる科学者が集まり、ハッブル史上最大の観測が行われました。そして、近くの宇宙だけではなく、はるか100億光年先まで、銀河が泡のように連なっていることが観測によって初めて解き明かされました。

 理論シミュレーションから、銀河の泡が出来るには、見えない謎の重力源「ダークマター」が必要だと考えられています。ダークマターがあると、その重力により光が曲げられます。この現象は、あたかもレンズのような働きをするため"重力レンズ"とよばれます。ごくわずか銀河の光の変化でさえ、ハッブルならくっきりと捉えることが可能です。そこで、これ測定することでダークマターの分布が調べられました。結果、泡のような銀河の分布とダークマターの分布がピタリと一致しました。銀河はダークマターの重力により、泡構造を作っていたのです。

 2010年春、1個の天体で銀河系の半分(5万光年)もの大きさがある不思議な巨大天体が東京大学の大内正己准教授によって発見されました。この謎の天体までの距離は、129億光年。すなわち、129億年前もの「太古」の天体であることから「ヒミコ」と名付けられました。そして、ハッブル宇宙望遠鏡をつかっての「ヒミコ」の観測が行われます。宇宙探求の最前線(コズミックフロント)にたつ研究者を追いました。
「ハッブル宇宙望遠鏡 銀河の泡の謎に挑む」


この3連休、NHKオンデマンドで、コズミックフロントと言うこの番組を見倒したのであります。

そして、この番組で紹介された、吉田直紀(東京大学数物連携宇宙研究機構)による宇宙誕生から数億年間の数理シミュレーションの研究を目の当たりにして、まさに感動であります。

 得られた結果は次のようにまとめられる.まず,ファースト・スターが誕生したのは宇宙創成から3億年ほど経った頃である.われわれの計算では宇宙の平均的な場所を仮定したが,場所によって多少の差があるため,宇宙の一番星が光り出したのは1億~3億年の頃というのが妥当であろう.いずれにせよ137億年の宇宙の進化史のかなり早い段階であることになる.次に,原始星(生まれたばかりの星)の質量は太陽の100分の1程度であった.中心温度は絶対温度1万度を超え,また密度は1cm3 あたり0.001g 程度,ちょうど空気と水の密度の間くらいに相当する.まわりには大量の温かいガスが存在し,それらが中心にむかって落ち込んでいくため,この小さな星の種はすぐに成長し,巨大な星になると考えられる.実際に3次元シミュレーションから得られたガスの降着率を用いて,原始星進化の詳細な理論計算をおこなったところ,最終的には質量がおよそ太陽の100倍以上にもなることがわかった.どうやら初期宇宙の星は小さく生まれて大きく育つようだ.質量が太陽の100倍というのは明るさでは太陽の百万倍以上にもなる.宇宙がまだ数億歳という若さの時に,このようなとても明るいファースト・スターが闇を照らし出し,暗黒時代に終わりを告げたのだろう.
ファースト・スター:宇宙の一番星の誕生 謎の「暗黒時代」に育った星と光を初めて再現


これを画像つきで解説した記事がありました。

その後、周囲のガスを取り込みながら数万年で太陽の100倍の質量に成長、最後は爆発してブラックホールになりました。この星の寿命は、わずか数百万年でした。
宇宙で最初に生まれた星(ファーストスター)


このファーストスターが、いきなりブラックホールとは、いったいなぜ?と思って、調べるうちにこんな最新ニュースに出会ったのであります。

国立天文台と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究チームは9月8日、地球から約5440万光年の彼方にある「おとめ座A(M87)銀河」に潜む巨大ブラックホールの位置を正確に突き止めることに成功したことを発表した。

同成果は総合研究大学院大学物理科学研究科天文科学専攻・博士課程3年/国立天文台水沢VLBI観測所の秦和弘氏、宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所・助教/総合研究大学院大学の土居明広氏、国立天文台水沢VLBI観測所・研究員の紀基樹氏、国立天文台ALMA推進室・研究員の永井洋氏、国立天文台水沢VLBI観測所・助教/総合研究大学院大学の萩原喜昭氏、国立天文台水沢VLBI観測所・教授/総合研究大学院大学の川口則幸氏によるもので、2011年9月8日発行の英国科学誌「Nature」に掲載された。
国立天文台など、おとめ座Aに潜む巨大ブラックホールの居場所の特定に成功


こうして、知の探索を続けているうちに、わかった。

結局、宇宙とは巨大なリンゴだった。

ニュートンのリンゴも有名ですが、この巨大リンゴこそ宇宙の秘密を解き明かすもっとも重要な鍵となることが、いま鮮明にわかったのであります。

と言うことで、この続きは、次回と言うことで。 KAI

投稿者 kai : September 21, 2011 03:06 AM | トラックバック
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