July 28, 2012

情報戦とは−−孫子の兵法応用編・パート4

ウチダ先生、単にヒラマツさんと友達関係からの橋下批判かと思っていたら、なんとあなたも「システム」側の傭兵になりさがっていたのでありますか。

橋下徹大阪市長が文楽協会への補助金打ち切りの意向を示してから、「儲からない芸能」を行政が支援することの可否について議論がなされている。
(中略)
行政は税金で運営されている。
まず納税者からお金を頂いて、それを分配するのが仕事である。
行政官に対しては、「税金を無駄づかいしている」という批判はありうるが「稼ぎが悪い」という批判はありえない。
誰もそんなことを言わない。
企業の場合は、そういう仕事をするセクションのことを「管理部門」と言う。
それ自体は何の収益も上げないし、何も創り出さない。もともと「管理部門以外の人々」が働きやすい環境を整備し、その創造的な活動を支援するのが本務である。
(中略)
費用対効果ということを最優先すれば、これがほんとうに最適解なのである。
ほんとうに。
日本という国民国家で「何をしたいか」ではなく、どうやって「行政の無駄を省いて、費用対効果のよい制度設計をするか」ということを最優先に配慮した場合に、この選択肢の「不合理性」を指摘することはきわめて困難なのである。
ビジネスマインデッドな行政官について


あのね、ウチダ先生、あなたは「ビジネス」の意味が、(故意にかわからないけれど)まるでおわかりなってはいない。

多少の「ビジネス」経験がおありのようだけど、「ビジネス」の「本質」についてあなたの軽薄浅薄なる「理解」を根拠にした「批判」は、一廉の言葉の衣装をまとっただけの「プロパガンダ」、「誹謗中傷」レベルの文章でしかないのであります。

「管理部門」と言う用語の理解も、いまどきの小学生すらもっとましな知識をもっているのであります(ネットがあるからね)。

「コストセンター」と「プロフィットセンター」って言葉を使って議論はできるけれど、いまどき「管理部門」って言葉で「ビジネス」を論じても何の意味も、断じてないのであります。

それより、なにより、大阪府にしろ、大阪市にしろ、あるいは、日本政府にしろ、いま喫緊の課題は、ウチダ先生、なんだと思いますか?

「財政破綻」ですよ。

とにもかくにも、うかれたことを言っている場合ではないんですよ。

これをいかに解決するか、他にやることいっぱいあるけれど、行政の責任者は片時もこれを忘れてもらっては困るのであります。

もちろん、ウチダ先生がおっしゃるように「何をしたいか」が、これ以上に重要でありますけれども、これとそれとは「次元」が異なる、そういった種類のお話であるのであります。

これを「故意」に混同させておられる。

お聞きしますが、ウチダ先生、水道代って、税金ですか?

確かに税金のようなものではありますが、税金ではないですよね。

ウチダ先生は、水道代、いくら高くても払うことができるでしょうから、関係ないと思っておられるのかもしれませんが、普通の感覚では安ければ安いほどいいと思っていると、KAIはそう思うのであります。

ところが、ウチダ先生の「論理」でいけば、そうはならない。

「ビジネスマインド」が、水道局の職員の給与を破壊する、とくるのであります。

え?違いますか?

大阪府と大阪市が、まったく別々の水道施設を作って維持管理している。

ウチダ先生お得意の「管理部門」、大阪市のそれはまるまる不要なんであります。これだけで水道代の負担が何百億円と節約できるのでありますが、ウチダ先生はこれも「ビジネスマインド」が大阪市の水道局の職員そのものの「破壊」であり、許されるものではないと、えらそうに、論じられるのであります。

そこで、であります。

これだけでは、単なるウチダ批判だけのつまらない文章になるのであります。これをもう少し「建設的」議論にするのであります。

先ほどの、「コストセンター」と「プロフィットセンター」。

ウチダ先生の「知識」も「理解」も決定的に欠如しているのが、このうち「コストセンター」の「売上」と言う概念なんであります。

これが、ウチダ先生は、「コストセンター」には「売上」がないと思い込んでおられるから、始末が悪いのであります。

「コストセンター」にも、立派に「売上」はあるのであります。

そもそも「売上」とは、「顧客」によってもたらされるものであります。ですから、「プロフィットセンター」の「顧客」とは、その企業の「顧客」そのものであります。では、「コストセンター」に「売上」があるとすると、その「顧客」とは。

これが、「プロフィットセンター」なんであります。

つまり、「コストセンター」とは「プロフィットセンター」を相手に「ビジネス」をしている、とこう概念的には理解する必要があるのであります。

当然、「プロフィットセンター」が、その「顧客」の厳しい要求に応えるだけの品質の「商品」なり「サービス」を提供することによってのみ、生存競争に勝ち残っていくことができると同様、「コストセンター」も、その提供する「サービス」が「プロフィットセンター」の要求に応えるレベルのものを提供できなければ、その「存続」そのものを問われることになるのは、当然も当然、当たり前の話なのであります。

ウチダ先生は、「行政というのはそのような管理部門である」と、書いておられる。

かならずしもKAIはこれに首肯しかねるのでありますが、100歩ゆずって、この論理でいけば、「行政」とはKAIの言う「コストセンター」であります。

ではこの「顧客」である「プロフィットセンター」とは、何か。それは、「住民」であり、一人一人の「住民」とその「住民全体」であります。

冒頭の「文楽協会」が、この「コストセンター」の一員であるとの意識を、もしお持ちとするなら、「文楽協会」の存続問題とは、「地域住民」に対する「文楽協会」そのものの「サービス」、すなわち「活動」の「品質」レベルが問われることになるのも、当然も当然、当たり前の、以下繰り返しとなるのであります。

ウチダ先生、おわかりでしょうか? KAI

投稿者 kai : July 28, 2012 03:45 AM | トラックバック