「大気」の流れの本質を見るだけでいい

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今週もまた、「大気」の流れ満載であります。

世の中の流れを評価するための絶対的な価値観などと言うものは、ないのであります。ことごとくが相対的なものであると、こう理解することが肝要なのであります。

例えば、このお話。

11月4日 4時7分
東京大学など9つの大学は、日本・中国・韓国の学生が留学しやすい環境を整備するため、中国や韓国の大学との間で共通のカリキュラムを設け、学生が取得した単位や学位を互いに認め合う制度を始めることになりました。

日本、中国、韓国の大学間の交流は、おととし10月に開かれた3か国の首脳会談で鳩山元総理大臣が提案したことを受けて、具体的な方法について検討が進められてきました。その結果、東京大学や一橋大学など8つの国立大学と立命館大学の合わせて9つの大学が、中国や韓国の大学との間で共通のカリキュラムを設け、学生が取得した単位や学位を互いに認め合う制度を早いところでは年内にも始めることになりました。このうち一橋大学は、中国の北京大学と韓国のソウル大学との間でアジアのビジネス界のリーダーの養成を目指すカリキュラムを設け、互いの交流を進めることにしています。現在でも、提携する大学どうしで単位を認める例はありますが、新しい制度では、3か国のどの国で取得した単位も自分の大学の単位として認められるため、文部科学省は、日本・中国・韓国の学生がこれまでより留学しやすくなるとしています。
日中韓の大学 単位相互認定へ

ごくありふれた、NHKニュース。のようでいて、そうではない。

これをきっかけに(いい意味での)たいへんなことが起きるのであります。

学生の交流とは、すなわち「人の流れ」であります。

何が起きるかと言えば、20年後「日中韓同盟」のスタートであります。

こういった「人の流れ」の変化と言う「相対的」事象が、未来の、世の中の流れを、大きく変えていくのであります。

TPP問題も、しかりであります。

TPP問題の本質は、経済圏問題。ユーロ経済圏の危機を目の当たりにして、何を血迷っているのかともうしあげるしかないのであります。

ギリシャがユーロ経済圏を離れて、通貨が自由になれば、すべての問題が解決するにもかかわらず、これができないのはTPPが行き着く先と同じであることが、なぜ理解できないのでありましょうか。

この点においてポンドを存続させているイギリスこそ賢明であり、日本はこの賢明さに学ぶべき大なりなんであります。
オープンプリンシプルの意味がわかると進化論がわかる(3)

経済圏問題とは、要は「金の流れ」問題。

同様のとらえ方をしているのが野口悠紀雄であると、池田先生が紹介している。

TPPについては農業保護ばかりに議論が集まっていますが、それは本筋ではありません。いろいろな論点を提示する意味で、野口悠紀雄氏の意見を紹介しておきましょう。これは反対派の主張の中で、ほとんど唯一、検討に値する意見だと思われます。彼は今週の週刊ダイヤモンドでも書いていますが、ウェブに出ていないので、昨年末の記事を紹介しておきます。
TPPは「ブロック経済」か

ブロック経済かどうかの議論は別にして、これが経済圏問題であることには違いないのであります。

もっか猛烈な火を噴出し中のユーロ経済圏も、同じ経済圏問題。

かたや通貨発行権と、もう一方が関税権。

どちらも「金の流れ」をいかにコントロールするかであります。

これを放棄する見返りは、もちろんどちらにも、ある。(でなければ、ユーロ経済圏は成立しなかった。これを議論し始めると長くなるので、今回は割愛)

しかし、これを放棄したデメリットが、いまのギリシャであり、放棄しなかったメリットがイギリスであります。

つまりは、そう言うことであります。

いまのいま、世界経済は再び大嵐が吹き荒れようとする真っ只中。こんな渦中にあって、これをいかに切り抜けるか、そのための重要な手段のひとつである「関税権」を、なんで手放すなどと言う血迷った議論をはじめるのか。

ま、これも致し方ないのであります。

バカはいかに思考するのか

賛成、反対、いずれにあっても、これに「同調」することでもって「思考」したと勘違いする方々であります。「レトリック」が決するとすれば、これであります。

 「TPPに日本が飛び込んだら入水自殺だ」−。民主党の田中真紀子元外相は4日、「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を慎重に考える会」(会長・山田正彦元農水相)で講演し、歯に衣(きぬ)着せぬ“真紀子節”を久々に炸(さく)裂(れつ)させた。
“真紀子節”炸裂 「TPPは飛び込んだら入水自殺」「小泉改革の二の舞だ」 首相も「野田なんとか」呼ばわり

「入水自殺」。もうこれで決まりであります。 KAI