テニス 正しいセルフジャッジの方法とは?

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テニスフリークのみなさま、こんにちわ。

テニスフリークにとって悩みの種は、とかくトラブルになりがちのセルフジャッジについてなのであります。

正しいセルフジャッジの方法は、財団法人日本テニス協会から発行のテニスルールブックを協会から直接購入し見ればいいのでありますが、この中身は毎年改定されるため、改訂版を毎年購入する必要があるのであります。

これが書籍ではなく協会のホームページにあげていただければと思うのでありますが、恐らく書籍の売上が協会の重要な収入源であるためでありましょうが、それは望むべくもないのであります。

インターネットで検索しても、書籍の内容は転載複製が禁じられているために、そのまま参照することができないのであります。

そこで本ブログでは、転載ではなく引用と言う形で、正しいセルフジャッジの方法を解説してみたいと思うのであります。

みなさまのテニスライフにお役立ていただければと願うばかりであります。

1.セルフジャッジの方法
プレーヤーチームが判定とコールすることをセルフジャッジと言い、以下のとおり行なう。(JTAテニスルールブック2018、p.60)
チェアアンパイヤが付く公式の大会以外はすべてこのセルフジャッジとなるのであります。プレーヤー同士互いにこのセルフジャッジのルールの知識がないばかりに、試合中にトラブルになることが多々あるのであります。
1)サーバーはサーブを打つ前、レシーバーに聞こえる声でスコアをアナウンスする。プレーヤー同士、アナウンスによってその時点のスコアを確認する。(〃、p.60)
よくあるトラブルが、相手のスコアのアナウンスがよく聞こえないままポイントを進めて、後から食い違いに気付く場合であります。

この場合の訂正方法は、後述する「10)」の項をご参照いただきたいのであります。

2)ネットより自分側のコートについて判定とコールをする。ボールがラインにタッチした時ボールとラインの間に空間が見えなかった時、あるいはボールを見失って判定できなかった時は「グッド」である。
ボールとラインの間に、はっきりと空間が見えた時は「アウト」または「フォールト」である。(〃、p.60)
この、上2行が今回改定されたところであります。
3)判定とコールは、相手にはっきりと分かる声とハンドシグナルを使って、ボールの着地後速やかに行なう。代表的なハンドシグナルは、人差し指を出して「アウト」「フォールト」を示し、手のひらを地面に向けて「グッド」を示す。(〃、p.60)
ハンドシグナルだけの場合、ラインズマンのハンドシグナルと同様ですので、問題ないと思われるのであります。(これはKAIの舌足らず。ラインズマン同様インアウト判定の権利がプレーヤーにある限り、声のないジェスチャーのみの場合であっても判定は有効と言うことであります。)
4)「アウト」または「フォールト」とコールした直後に、プレーヤー自身が「グッド」と訂正した場合は、そのプレーヤーの失点となる。また「アウト」「フォールト」とコールし、レフェリーまたはロービングアンパイアによってオーバールールされた場合もそのプレーヤー・チームの失点となる。
「グッド」の判定を「フォールト」「アウト」とオーバールールされた場合は、その「フォールト」「アウト」の判定が成立する。
ただし例外として、サーブされたボールがネットに触れたあとのフォールトを、「グッド」にオーバールールされた、あるいはプレーヤー自身が訂正した場合はそのサービスをやり直す。この場合に限って失点しない。(〃、p.60)
この記述は、今回追加された「17)誤ったコールを直ちに訂正した場合」の記述となぜか矛盾するのでありますが、「17)」の記述「1回目は故意ではない妨害としてポイントレットにする」が有効になるのでありましょうか?
5)ダブルスの判定とコールは、1人のプレーヤーが行えば成立する。しかし、ペアの判定が食い違った場合はそのペアの失点となる。ただし、ネット、ストラップまたはバンドに触れたサービスを1人が「フォールト」、パートナーは「レット(グッド)」とコールした場合は「(サービスの)レット」となる。(〃、p.60)
この「ペアの判定が食い違った場合はそのペアの失点となる」が重要と思われるのであります。このルールを知っていれば、ペアの判定に対して自身の判定に確信を持てない場合、積極的にペアの判定に同意することをおすすめするのであります。
6)クレーコートでは、相手プレーヤー・チームにボールマークの確認を要求できる。必要であれば、相手コートへ行ってボールマークを見てもよい。相手と判定が食い違った場合はレフェリーが最終判定をする。両者が示すボールマークの位置が食い違う場合、あるいは判定できるほどのマークが残っていない場合は最初のコールが成立する。ただし、必要以上にBMI(引用者注:ボールマークインスペクション)を申し出るプレーヤーには、レフェリーが適切な処置を取る場合がある。クレーコート以外はボールマークのチェックを行うことはできない。(〃、p.60)
この「クレーコート以外はボールマークのチェックを行うことはできない」がポイントとなるのであります。

ほとんどのコートは、クレーではなくオムニあるいはハードコートと思われるのでありまして、つまりボールマークのチェックは行うことはできないこととなっているのであります。

しかしながら、オムニコートでは砂に跡が残っているため、みなさん、このボールマークのチェックが常態化しているのではないかと思われるのであります。

これに対してKAIの見解は、オムニコートにおいては判定権限のあるプレーヤーのみがボールマークを確認できる、とローカルルールを個別に制定するべきではないかと考えるのであります。

7)サービスのレットはレシーバーがコールする。誤ってサーバーがサービスのレットをコールした時は、以下の判断がくだされる。
(1) そのコールによって、プレーが停止された場合は、サーバーの失点。
(2) そのコールに、レシーバーが同意した場合は、サービスのレット。
(3) そのコールにかかわらず、プレーが続きポイントが終了した場合は、ポイントが成立する。(〃、p.61)
この「サービスのレットはレシーバーがコールする」と言うルールは、今回の改訂においても従来どおり有効なのであります。

今回追加された「14)」のルールを勘違いすることで、サービスレットまで両チームでコールできると思われているようであるのでありますが、これは明らかに間違いなのであります。

8)インプレー中、他コートからボールが入って来るなどの妨害が起こった場合は、「レット」とコールしてプレーを停止し、そのポイントをやり直す。妨害については、「試合で起こるQ&A Q11?Q16」参照。(〃、p.61)
このQ&Aは次の通りなのであります。
・レットされる前に打ったボールは有効。
・サービスモーション途中のレットは、有効。ファーストからやり直し。
・コート外のコールでプレイを止めた場合、止めたプレーヤーの失点。
9)インプレー中、プレーヤーがラケット以外の着衣・持ち物を相手コート以外の地面に落とした場合、それが1回目の時は、「レット」とコールしてプレーを停止し、そのポイントをやり直す。2回目以降、落とすたびにそのプレーヤーが失点する。
レットのコールは、落し物をしたプレーヤー・チームがコールすることはできない。相手プレーヤー・チームが妨害を受けたと判断した場合に限りコールできる。ただし、落としたことがプレーに影響を及ぼしていない場合はポイントが成立する。(〃、p.61)
この「相手プレーヤー・チームが妨害を受けたと判断した場合に限り(レットの)コールできる」が重要なのであります。2回目以降の落下で失点とは、レットの後の落下を意味するのでありまして、「相手プレーヤー・チームが妨害を受けたと判断」しない落下は、落下として失点の対象にはならない、と解釈できるのではないかと思うのであります。
10)スコアがわからなくなった時は、双方のプレーヤーが合意できるスコアまでさかのぼり、それ以降のプレーで双方が合意できるポイントを足したスコアから再開する。合意できなかったポイントは取り消される。ゲームスコアが分からなくなった時も同様に処理する。
再開する時のエンドとサーバーは、合意されたスコアに準ずる。ただし、ゲームスコアが訂正され、再開する場合のサーバーは、次の順のサーバーに交代しなければならない。(同じプレーヤーが2ゲーム連続サーバーにはなれない。)(〃、p.61)
これ以外のプレイ中の間違いの訂正方法について、ルールブックにあった記述は以下の通りとなるのであります。
・サーバーの順番を間違えた場合、ポイントの間は、直ちに本来のサーバーに交代する。ゲームが終了していた場合、入れ替わったままの順番でサービスを続ける。
・レシーバーの位置を間違えた場合、ゲーム中はそのままの位置でプレーし、以降のゲームで修正する。
・サービスサイドまたはエンドを間違えた場合、その場でポイントまたはゲームに応じた本来の位置に訂正する。
11)次の場合はレフェリーまたはロービングアンパイアに速やかに申し出る。
(1) 試合中、トイレ、着替え、ヒートルールなどでコートを離れる時
(2) 相手プレーヤーの言動やコール、フットフォールト等に疑問、不服がある時
(3) プレーヤー同士で解決できないようなトラブルが起こった時

12)メディカルタイムアウトを取りたい時は、レフェリーまたはロービングアンパイアに申し出る。トレーナーのいない大会ではプレーヤー自身が手当てをすることができるが、レフェリーまたはロービングアンパイアによって、手当てを必要とする状態かどうか確認後、その許可を得て3分以内に処置を行う。

13)試合終了後、勝者は大会本部に試合ボールを届け、スコアを報告する。
(〃、p.61)

特に重要でないため、解説は割愛。
14)各判定とコールする権利者は以下の通りとする。
a 「フォールト」「アウト」「グッド」はネットから自分側のプレーヤー・チームのいずれか
b 「ネット」「スルー」「タッチ」「ノットアップ」「ファウルショット」は両プレーヤー・チーム
c 「フットフォールト」はコート内にいるレフェリー(アシスタントレフェリー)またはロービングアンパイアのいずれか(〃、p.61、62)
今回追加されたこのルールで、「ネット」を「レット」と勘違いすることで、サービスレットまで両チームでコールできると思われているようであるのでありますが、これは明らかに間違いなのであります。あくまで「7)サービスのレットはレシーバーがコールする」なのであります。
15)オーバールール
「イン」「アウト」のオーバールールは巡回しているレフェリー(アシスタントレフェリー)またはロービングアンパイアのいずれかが行える。(〃、p.62)
解説は割愛。
16)妨害によるレットのコール
a コート外からの妨害による「レット」のコールは両プレーヤーチームができる。
b 対戦相手による無意識の妨害(落し物1回目を含む)は妨害を受けたプレーヤー・チームのみ「レット」をコールできる。2回目以降は故意に妨害したとして失点する。
c 対戦相手からの故意の妨害「ヒンダランス」は、妨害を受けたプレーヤー・チームからの申し出によりレフェリー(アシスタントレフェリー)またはロービングアンパイアが判断する。ただし妨害を認知しながら意識的にプレーを続行した場合は妨害と見なされない。(〃、p.62)
「妨害を認知しながら意識的にプレーを続行した場合は妨害と見なされない」とのことなのでありますが、よほどのことがない限り、KAIはこちらが常識的な流れとなると思われるのであります。

つまり、「9)」項で前述の通りなのでありまして、対戦相手からの妨害は、2回目以降の妨害であったとしても、「レット」のコールの後でない限り失点とはならないと解釈できるのであります。

17)誤ったコールを直ちに訂正した場合
インだったボールを誤って「アウト」とコール(ミスジャッジ)したが直ちに訂正(コレクション)した場合は、1回目は故意ではない妨害としてポイントレットにする。ただし、ミスジャッジの前に打たれたボールが明らかなウイニングショットまたはエースだった場合は、ミスジャッジしたプレーヤー・チームの失点となる。そして、2回目以降は故意に妨害したとして失点する。(〃、p.62)
上記「4)」項の解説の通りの疑問があるのでありますが、この「17)」項を文字通り解釈しますならば、1回目のミスジャッジは、ポイントレット、2回目以降は失点との理解になるのであります。

引用は以上でありますが、今回追加されました項目には、直前の「17)」項の記述のように以前からのルールとの整合性に欠ける記述が散見されるのであります。

ま、これも来年以降の改善を期待するといたしまして、これにてお仕舞いとするのであります。 KAI

(追記 2018年11月14日14:55)
JTAテニスルールブック2018の正誤表を見落としていましたので、本エントリーの内容を以下のとおりに訂正させていただくのであります。

正誤表の中身は、以下の通り。

<訂正箇所>
●60ページ
1.セルフジャッジの方法
4)および7)を削除し、新たに改定された14)および17)に従って行われる。
4)および7)とは、以下の記述であります。
4)「アウト」または「フォールト」とコールした直後に、プレーヤー自身が「グッド」と訂正した場合は、そのプレーヤーの失点となる。また「アウト」「フォールト」とコールし、レフェリーまたはロービングアンパイアによってオーバールールされた場合もそのプレーヤー・チームの失点となる。
「グッド」の判定を「フォールト」「アウト」とオーバールールされた場合は、その「フォールト」「アウト」の判定が成立する。
ただし例外として、サーブされたボールがネットに触れたあとのフォールトを、「グッド」にオーバールールされた、あるいはプレーヤー自身が訂正した場合はそのサービスをやり直す。この場合に限って失点しない。(〃、p.60)
これに対して、上記本文でのコメントがこちら。
この記述は、今回追加された「17)誤ったコールを直ちに訂正した場合」の記述となぜか矛盾するのでありますが、「17)」の記述「1回目は故意ではない妨害としてポイントレットにする」が有効になるのでありましょうか?
4)が丸ごと削除されたのでありますから、17)の記述どおりが正解となるのであります。

続いて7)が、こちら。

7)サービスのレットはレシーバーがコールする。誤ってサーバーがサービスのレットをコールした時は、以下の判断がくだされる。
(1) そのコールによって、プレーが停止された場合は、サーバーの失点。
(2) そのコールに、レシーバーが同意した場合は、サービスのレット。
(3) そのコールにかかわらず、プレーが続きポイントが終了した場合は、ポイントが成立する。(〃、p.61)
これに対する上記本文のコメント。
この「サービスのレットはレシーバーがコールする」と言うルールは、今回の改訂においても従来どおり有効なのであります。
今回追加された「14)」のルールを勘違いすることで、サービスレットまで両チームでコールできると思われているようであるのでありますが、これは明らかに間違いなのであります。
このコメントは全面的に削除して、次の通りに訂正するのであります。

7)が削除されたことによって、サービスレットは、両プレーヤーがコールできるようになったと解釈すればよろしいのでありましょうか。

ただし、フォールトのコールの権利はあくまでレシーバーにあるのでありますから、サーバー側がレットをコールしても、レシーバーがフォールトをコールした場合は、レットは無効となるのであります。

新たに改定された14)および17)は以下の通り。

14)各判定とコールする権利者は以下の通りとする。
a 「フォールト」「アウト」「グッド」はネットから自分側のプレーヤー・チームのいずれか
b 「ネット」「スルー」「タッチ」「ノットアップ」「ファウルショット」は両プレーヤー・チーム
c 「フットフォールト」はコート内にいるレフェリー(アシスタントレフェリー)またはロービングアンパイアのいずれか(〃、p.61、62)
17)誤ったコールを直ちに訂正した場合
インだったボールを誤って「アウト」とコール(ミスジャッジ)したが直ちに訂正(コレクション)した場合は、1回目は故意ではない妨害としてポイントレットにする。ただし、ミスジャッジの前に打たれたボールが明らかなウイニングショットまたはエースだった場合は、ミスジャッジしたプレーヤー・チームの失点となる。そして、2回目以降は故意に妨害したとして失点する。(〃、p.62)
(以上)