パンデミックの正体(3)

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久しぶりのパンデミックなのであります。

KAIはすでに10年前、パンデミックとはなんであるのか、このエントリーで言及していたのであります。

そこで「パンデミック」です。

致死性の高いウィルスが、世界中で蔓延した状態を「パンデミック空間」とすると、この空間における光とはウィルス。光速は、ウィルスの感染スピード。光子は感染者。「波」ですからとっくの昔に、検疫と言うスリットはすり抜けている。

つまりすでに感染者は国内にいる。

1週間以内に、間違いなく国内に感染者が現れる。
パンデミックの正体、投稿日:2009年4月28日

結果はKAIの予想した通りとなったのであります。

そしてパンデミックの正体(2)、投稿日:2010年7月24日のエントリーで取り上げたのが、こちらであります。

 興味深い例が書かれている。2009年、日本の社会で新型インフルエンザが流行したとき、通常なら季節型のインフルエンザは終わる時期なのに、報道などではこの年は異例にインフルエンザが流行していると語られたものだった。ところが、著者のグループは片っ端から患者さんの喉や鼻をRT-PCRという手法で調べてみた。
 2009年5月のことです。もうインフルエンザは流行していない、と考えられている季節です。初夏ですから。ところが、出るわ出るわ、探してみたら、たくさんの患者さんから、新型インフルエンザではなく、従来型の季節性インフルエンザが検出されたのでした。しかも、その多くは迅速検査で陰性だったのでした。2009年だけ特別、季節性インフルエンザが初夏に流行ったのではありません。いままで、初夏にインフルエンザ検査をした医者がいなかったのです。
[書評]感染症は実在しない―構造構成的感染症学(岩田健太郎)
この「興味深い例」に記述されている内容は、きわめて重要なのであります。

2009年だけ特別、季節性インフルエンザが初夏に流行ったのではありません。いままで、初夏にインフルエンザ検査をした医者がいなかったのです。

そうです、今回の新型肺炎とは、決して異例でもなんでもないのであります。

ただ単に、おそらくかなりの期間、新型肺炎として検査されてこなかっただけであったのであります。

それが、たまたま武漢の医者が、従来に較べて感染率および致死率が高い感染症であったために注目、検査し、続いて世界中が検査を開始し始め、今に至ると言うのが、真相であったのではないかと考える必要があるのであります。

すなわち、いま報じられる感染拡大は、今回単なる新たな検査によって見えてきた感染拡大なのでありまして、実態は、すでに新型肺炎は世界中に蔓延してしまっているかもしれないのであります。

もちろんそうではないことを願うばかりではありますが、これがそうではないことを証明するためには、世界中で肺炎の重傷者への新型ウイルス検査の開始が必須なのであります。

しかし、残念ながらKAIの予想は悲観的であります。

 厚労省によると、新型肺炎に感染したバス運転手は8-11日に大阪から東京へ、12-16日に東京から大阪へと、中国・武漢からのツアー客を乗せていた。
感染したバス運転手は大阪―東京を往復、2020年1月28日 19時31分
この事実から考えられますことは、これまでなんの疑いも持たれることのなかった普通の中国観光客から運転手が感染し、感染源であるこの中国観光客はいったいどうなったのか、世間がなぜ注目しないのか。メディアを含めたこの無関心にあるのであります。
すなわちこれは、今回たまたま致死性の低いウィルスであったことが、幸いしただけのこと。

根本的な検疫体制そのものの考え方を変えない限り、これを阻止することは不可能と言わざるを得ないのであります。つまり、天気予報並みの観測体制でもってあらゆるウィルスの前期感染動向のチェックであります。

いまや人類は、ウィルスとの全面戦争に直面しているとの認識が、不可欠なのであります。
パンデミックの正体(2)、投稿日:2010年7月24日

まさにここに指摘させていただきましたとおりであるのでありますが、現場から「制御不能」の言葉が発せられるのは、よほど深刻な事態と私たちは受け止める必要があると、KAIは考えているのであります。
 【上海=南部さやか】新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を阻止するため、中国湖北省武漢市が発動した事実上の封鎖措置は24日、2日目を迎えた。一部メディアやSNSなどから伝わってくる情報は、市内での肺炎の拡散が深刻な状況にあることを示唆している。

 2002-03年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)に対応したことで知られる香港大の管軼グァンイー教授は21-22日に武漢市で現地調査した後、中国のネットメディア「財新」の取材に対し、今回の肺炎の感染規模について「慎重に見積もってもSARSの10倍以上となる」との見解を示した。SARSでは中国で349人が死亡した。

 管氏は、市内の市場の衛生状態の劣悪さやマスクの着用を怠っている実態など、住民や政府の防疫意識の低さに驚き、「すでに制御不能だ」と判断して武漢を離れたという。また、封鎖措置を前に市を離れた多くの若者らが「ウイルスを全国各地に運んでいる」と警告し、14日間とされる潜伏期も踏まえ、今月25-26日の発症者増加に「注意すべきだ」と述べた。

 また、武漢大人民医院は24日、発熱やせきなど肺炎に典型的な症状を示さず、下痢などを訴えるだけだった45歳男性の感染が確認されたとの研究報告を公表した。報告は今回の肺炎の特異性を指摘しており、人民医院は「容易に誤診を起こし、さらに伝染を広げかねない」と警鐘を鳴らした。

 中国中央テレビによると、武漢市政府は2月3日までの完成を目指し、肺炎患者用にベッド数1000床の病院建設を始めた。

 中国のSNS「微信(ウィーチャット)」などでは武漢発として、病院で男性が突然倒れ伏したり、街中をおびただしい数の救急車が走ったりする場面を伝える動画が拡散している。

 ただ、単身赴任で市内に住む邦人男性の一人は24日、自宅で本紙の電話取材に応じ、「デマ情報が無数にある。実際に市内で何が起きているのか知るのは難しい」と語った。男性は市内の邦人仲間とSNSで情報交換しているが、情報が不足しているという。

 武漢市では、約500人の邦人の多くが足止めされているとみられ、この男性も24日に予定していた一時帰国を諦めた。
感染規模「SARSの10倍以上」…「すでに制御不能」との見解も、2020/01/25 09:21

 KAI
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