パンデミックの正体(5)

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いよいよ、これまで「人ごと」と思って感染拡大防止にあまり協力的でなかったみなさまにとって、まさに「人ごと」ではなくなってしまったのであります。

 大阪府の吉村洋文知事は30日、京都産業大や県立広島大の学生らの間で新型コロナウイルス感染が相次ぎ確認されている状況について「若者から高齢者や基礎疾患のある患者に感染を広げて命が失われることもある。ひとごとではなく、自分ごととしてとらえてもらいたい」と述べ、注意喚起した。府庁で記者団に答えた。

 大阪府立大は、ホームページで学生や教職員の海外渡航に関するガイドラインを掲載。外務省が渡航中止勧告を出しているイタリアやスペインなど危険度「レベル3」の国は「渡航不可」、不要不急の渡航を自粛すべき英国など「レベル2」は「原則として渡航不可」とし、公私を問わず事前に届け出ることとしている。

 レベル3と2の国から帰国した後は、2週間にわたり自宅などで待機し、公共交通機関を使わないことや毎日の検温など健康状態の確認、登校・出勤時の経過観察記録の提出を求めている。
「人ごとではなく、自分ごと」感染相次ぐ若者に吉村大阪府知事が呼びかけ、2020.3.30 18:10、産経WEST

 なぜこれほどまでに「人ごと」であったのか。

 その原因の一端は、

・コロナは、風邪やインフルと同じで怖くない
・死ぬのは高齢者でしかも基礎疾患のある老人で若者は関係ない
・米国のインフルの死者は2万人、コロナの比ではない、インフルこそ恐れよ
・経済崩壊による死者は10万人以上だから、コロナで50人死んだくらいで、経済崩壊を疎かにするのはおかしい

と言った言説が、SNSを中心に蔓延り、結果的に若者たちにとって見事なまでに「人ごと」観が蔓延してしまったのであります。

この「人ごと」観に一撃を与えたのが、今回の志村けんコロナ訃報であったことはまずもって間違いないのであります。

そこで今回は、この1ヶ月の、「人ごと」観蔓延のストーリーを、KAIのツイートを通して追ってみたいと思うのであります。

致死率もそれ程驚異的でも無い

そんなことはありません。
・エイズ・・致死率2.7%
・肺炎・・致死率8.9%
・新型コロナ・・致死率3.4%(WHO公式)
エイズよりはるかに危険な感染症です。
内海@u23mjag ・ 3月30日
それにしても経済不況で万単位の人間が毎年自殺しても1ミリも動かなかった政府や業界団体や民間人が、致死率もそれ程驚異的でも無いが自分達に火の粉が降りかかる可能性の有る伝染病相手だと都市封鎖まで考えて動き出すの色々露骨過ぎるでしょ。 絶対これ氷河期世代とか将来的に棄民する気だったなw
Twitter、午前0:14 ・ 2020年3月31日
KAIが当初より着目してきましたのが、このコロナの致死率の高さであったのでありますが、残念ながらコロナの致死率への誤解は、いまだ収まる気配がないのであります。
返信先: @hiroco2003さん
毎年肺炎で10万人亡く

まさにこの肺炎の致死率です。
・エイズ・・致死率2.7%
・肺炎・・致死率8.9%
・新型コロナ・・致死率3.4%(WHO公式)
コロナの死亡率(感染率×致死率)を下げるには感染率を下げる。ご聡明なhirocoさんには、今何をすべきか自明と思います。
suzuki hiroco@hiroco2003 ・ 3月29日
返信先: @kai_reportさん
仰る通り十分リスクの高いものですけど、日本では毎年肺炎で10万人亡くなっています。しかも60代以上の基礎疾患を持った方の寿命が数年から数10年程度縮まるというものを弁えておくものだと思いました。
Twitter、午後6:46 ・ 2020年3月29日
一方で、幸いにして、こうしたご説明をすることによりまして、ご理解いただける方も増えて行っていると思うのであります。
返信先: @Isseki3さん
バブル崩壊のあと・・コロナの死者の比じゃない

でもバブル崩壊の途中で10万人崩壊を止められなかったじゃないですか?幸い今回は、50人の段階で、160万人になるとも予想されるコロナ崩壊を止めようと、社会は動いているのです。こんな簡単なことも理解できませんか?

Isseki Nagae/永江一石@「虎の穴」@Isseki3 ・ 3月30日
バブル崩壊のあと、自殺とはっきり分かってる人たちが10万人規模。行方不明が20万人くらい。コロナの死者の比じゃない。コロナはまだ50人くらい。経済を止めるな
経済崩壊が起きるとどうなるか、具体的に理解しよう https://landerblue.co.jp/49575/ @Isseki3さんから
Twitter、午後11:30 ・ 2020年3月30日
さて、こちらが命と経済を天秤にかけろと主張する人々の代表、永江一石氏であります。

このあとご紹介します他の方々の主張にも出てくるのでありますが、物事の可否の判断を死者数の絶対値、すなわち死亡率で行う、そういった価値観の持ち主の代表者なのであります。

この価値観が破綻していることは、この引用ツイートで指摘の通りであるのでありますが、あらためてご説明したいと思うのであります。

ここで重要となりますのが、以下の数式なのであります。

■感染率=感染者数/人口
■致死率=死者数/感染者数
■死亡率=死者数/人口
従って
■死亡率=感染率×致死率

こんな簡単な数式でさえ、ご理解いただけないのが、死者数絶対視論者なのであります。

返信先: @mph_for_doctorsさん, @ittetsu313さん
社会ニュース的なインパクトと実際の死亡リスクは全然釣り合ってない

死亡リスクを死者数(死亡率)とするか致死率とするかの違いで、致死率の高さで十分つりあっています。つまりコロナは一旦感染するとインフルの数十倍の確率で死亡しますから十分インパクトあります。
レ点注射器薬DNA@m0370 ・ 3月27日
アメリカだって、CDCが新型コロナで「8万人罹患し700人死亡」って言ってても、そのCDCが同時に季節性インフルエンザは今シーズンだけで「3900万人罹患し23,000人死亡」って発表してんだから、まあ社会ニュース的なインパクトと実際の死亡リスクは全然釣り合ってないわな。
https://cdc.gov/flu/weekly/index.htm
Twitter、午後4:04 ・ 2020年3月28日
死者数を絶対視する方々がたびたび引用される、米国のインフル感染者と死者数なのでありますが、上掲の数式を理解していますならば、米国のインフルの例示が、死者数絶対視論者の論拠になっていないことが、たちまち明らかになるのであります。

すなわち、感染率が低い段階(コロナの場合)での死者数と、感染率が高い段階(インフルの場合)の死者数の比較とは、前者の感染率が後者と同じになった時の死者数、つまり致死率で比較しなければ、まるで意味をなさない比較になるのであります。

しかも、感染率を左右する感染力も、恐らくコロナはインフルの数倍あると見られており、米国で、万が一、コロナの感染拡大阻止に失敗して、感染者が3900万人に達すると、23,000人の比ではない、なんと133万人が死亡すると試算される、そういった危機的事態に米国は陥っているのであります。

まさに、決してこれは米国だけの問題ではないことに、日本の死者数絶対視論者は気付く必要があるのであります。

長くなりましたので、最後に一つだけ引用させていただきたいと思うのであります。

返信先: @momojisince2007さん
開票率5%で当確なんておかしいと数学者・秋山仁と話したら
「それが統計学ですよ」
「まだ開票率5%なのに?」
「あなたね、味噌汁作って味見するのに丼鉢でグーッと飲む?」
「・・・小皿ですよね」
「それが5%よ」
https://togetter.com/li/1000367
Twitter、午後10:47 ・ 2020年3月26日
これは、日本の感染者数はおかしい、検査していないからではないか、との疑問に対して、数学者・秋山仁氏のご名答をご紹介したものであります。

致死率も感染率も、そして死亡率も、すべて統計学と言う数学的に裏づけされた数値であることを、みなさまにはご承知いただきたいと思うのであります。 KAI

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