不登校がやってきた(2)

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この番組を見たのであります。

わたしは3人の子を持つディレクター。そのうち2人が不登校だ。

2年前、我が家の不登校事情を描いた「不登校がやってきた」を放送。続いて「不登校がやってきた2」では、全国各地にいる不登校まっただ中の子供たちのもとに出向き、彼らの声に耳を傾けた。

不登校になったきっかけや学校や先生に対する不満や怒り、将来への不安。子どもたちの率直な言葉に、視聴者からたくさんの反響が寄せられたが、意外だったのは小中学校の先生たちから多くの反応があったことだ。

「子供たちが苦しむような学びの場しか用意できず申し訳ない。」「番組を見た教員たちから『学校はこのままではヤバい』との声も聞かれた。」先生たちも悩んでいた。

そこで今回は、先生たちと不登校について語り合うことにした。

全国の公立の小中学校を訪ね、40人の先生と対話を重ねた。不登校の兆しが見えたらどうする?不登校になった子へのアプローチは?変わるのは子ども?学校?学校でしか学べないことって何?学校はどうあるべき?

さまざまな問いかけに先生たちは真剣に答えてくれた。我が家で不登校が始まった6年前に比べると、先生たちの不登校に関する理解は進んでいると感じた。一方で、今の学校の枠組みの中で対策を講じることの難しさや限界も見えてくるのだった。

学びとは何か、教育はどうあるべきか…。不登校をめぐる先生たちとの対話と通じて、これからの学校や教育のあり方を考える。
不登校がやってきた3「先生たちも悩んでる」【NHK BS1】8月31日(木)20:30、更新日:2023年8月21日

この番組を見て、不登校問題の対応の問題点について、あらためて認識を新たにしたのであります。

すなわち、不登校問題とは、先に引用した文部科学省の対応のように、落とし穴にはまった子供たちにいかに梯子を差し伸べるかと言うことに特化し、教師が子供を落とし穴に背中を押して落とさないようにするにはどうすればいいか、いかに不登校を減らすかと言う視点の欠如が問題であるとの理解であります。

児童と教師の関係でおきうる問題は、それが教育と言う限られた環境とは言え、力関係でいえば上下関係のある人間関係の、きわめて一般的な人間関係で起きる問題に通底していると、KAIは従来から考えてきたのであります。

でありますれば、上下関係のある個人間の問題解決には、一般的な問題解決の方法しかないように、以前から考えていたのであります。

これはつまり具体的には、学校ごとに、学校や教育委員会と独立した、様々ないじめや教師の理不尽な問題に相談できる法的に対応できる公的相談員を常設するしか方法はないと考えていたのであります。

番組で不登校を減らす方法として今回教師たちから提案だったのが、定員20人であります。確かに、一人の教師で認識できる子どもの人数には限りがあります。しかしながら人数を減らしたところで、子供対教師は1対1であります。必ず問題は起きると考える必要があるのであります。

この問題が発生しうる状況が生じたとき、学校、警察、教育委員会、親、すべての利害関係者と独立した、独立教育現場相談員の存在こそ、この問題の解決になると考えるのであります。

もちろん相談員は、資格者でありますが、すべての学校での業務を国が身分を保証し、不登校児童の発生抑制をその成果とするのであります。

議員さん、真剣に考えてみてはいかがでしょうか。

と、ここまで考えたのでありますが、もう少しよく考えますれば、もっと実現可能な方法があるのであります。

それは養護教諭の活用であります。

養護教諭向けの新たな資格制度を設け、取得を義務付けるのであります。

この資格があれば、学校や教育委員会と独立して、子どもから相談を受けたいじめや担任教師の理不尽な対応に対して、問題解決のための指揮命令をできる権限が与えられるのであります。

現状では、子どもが学校で相談できるのが担任の教師くらいしかいない状況の中で、担任教師が問題の当事者であったならば、子どもはなすすべがないのであります。

常駐の養護教諭であれば、子どもは保健室と言う閉ざされた空間の中で気軽に相談することができるようになるのであります。 KAI

不登校がやってきた

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久しぶりに面白い番組をみたのであります。

小学4年のわが子が突然不登校になった。私はテレビディレクター。自らカメラを回し記録した親子の葛藤。学校とは?教育とは?家族とは?不登校が教えてくれた学びの真実!

小学4年のわが子が突然不登校になった。学校に行かせるべきか?子供の気持ちを優先し休ませるべきか?私はテレビディレクター。一体どうするのが正しいのか。みずからカメラを持ち、子供が通う学校、フリースクールからそして全てを親が教えるホームスクールまで、様々な現場を訪ね歩いた。初めて知った“不登校の真実”。様々に揺れ動く親としての思い、刻々と変わる子供と家族の姿。学校とは教育とはその本質に迫るこん身の記録
「セルフドキュメンタリー“不登校がやってきた”」、初回放送日: 2021年2月23日

そして今晩放送されるのが、こちら。
わたしは3人の子を持つディレクター。そのうち2人が不登校だ。

2年前、我が家の不登校事情を描いた「不登校がやってきた」を放送。続いて「不登校がやってきた2」では、全国各地にいる不登校まっただ中の子供たちのもとに出向き、彼らの声に耳を傾けた。

不登校になったきっかけや学校や先生に対する不満や怒り、将来への不安。子どもたちの率直な言葉に、視聴者からたくさんの反響が寄せられたが、意外だったのは小中学校の先生たちから多くの反応があったことだ。

「子供たちが苦しむような学びの場しか用意できず申し訳ない。」「番組を見た教員たちから『学校はこのままではヤバい』との声も聞かれた。」先生たちも悩んでいた。

そこで今回は、先生たちと不登校について語り合うことにした。

全国の公立の小中学校を訪ね、40人の先生と対話を重ねた。不登校の兆しが見えたらどうする?不登校になった子へのアプローチは?変わるのは子ども?学校?学校でしか学べないことって何?学校はどうあるべき?

さまざまな問いかけに先生たちは真剣に答えてくれた。我が家で不登校が始まった6年前に比べると、先生たちの不登校に関する理解は進んでいると感じた。一方で、今の学校の枠組みの中で対策を講じることの難しさや限界も見えてくるのだった。

学びとは何か、教育はどうあるべきか…。不登校をめぐる先生たちとの対話と通じて、これからの学校や教育のあり方を考える。
不登校がやってきた3「先生たちも悩んでる」【NHK BS1】8月31日(木)20:30、更新日:2023年8月21日

ということで、今回は珍しく不登校問題について考えてみるのであります。

冒頭引用の番組の中で、不登校になった児童が語っているのが、不登校の引き金を引いたのは教師の言葉であったと言う事実であります。

これはある意味、不登校と言うのは落とし穴でありまして、教師が児童の背中を押してこの落とし穴に落とすようなものであります。

そしてこの落とし穴に一旦はまってしまうと、一人で抜け出すことができなくなってしまうのであります。

このことから、原因となった教師を何かただしてみても、なんら解決にならないことは、容易に想像できるのであります。

この落とし穴から抜け出すために、フリースクールのような梯子となるための手助けが必要となるのであります。

このことについて、わかりやすく解説したホームページがありますので、ご覧いただきたいのであります。

文部科学省 フリースクール・不登校に対する取組

 KAI

先日観たNHKの再放送は、番組制作者の意に反して、まことにもってなんとも後味の悪いものであったのであります。

7月1日、日本でのラストマッチを終えたイニエスタ。神戸を愛し神戸に愛されたサッカー界の至宝が退団を決意した背景に何が?【語り】森山直太朗

今回、NHKはイニエスタを支えるスタッフが密着撮影した未公開の映像を入手。そこには2022-23シーズンの「知られざるイニエスタ」が記録されていた。出場機会を失う中にあってもチームを鼓舞する姿、家族とも向き合いながらプレイヤーとして葛藤する日々、年齢を重ねてもプレーを続けることについての三浦知良との対談など。イニエスタが最後まで神戸に残そうとしたものは?自身が神戸でもらったかけがえのないものとは?
永遠の“キャプテン” アンドレス・イニエスタ、初回放送日: 2023年7月24日

入団以来主将としてヴィッセル神戸にとてつもない貢献をしてきたイニエスタに対して、シーズン中に突然出場機会を奪うなど、チームは明らかに異常な対応を始めたのであります。

その結果のイニエスタの退団であったのでありますが、端からイニエスタの放出が目的であったと言えるのであります。

もちろんこれは三木谷オーナーの指示によるものであることは明らかなのでありますが、なぜいまイニエスタを放出する必要があったのでありましょうか。

これを説明するのが、こちらの記事にあるのであります。

楽天グループの財務は危機的な状況だ。携帯電話事業の資金流出が止まらないまま、5年で1.2兆円もの社債償還ラッシュを迎える。三木谷浩史総帥を救う巨大スポンサーは現れず、楽天証券、楽天銀行の一部売却だけでは済みそうもない。特集『楽天 解体寸前』の#4では、「楽天解体のカウントダウン」のシナリオに迫る。(ダイヤモンド編集部 村井令ニ)
楽天「余命1年」の危機!1.2兆円社債償還ラッシュで“解体”カウントダウンが始まる、2023.6.30 5:25
有料会員限定の記事ではありますが、楽天グループが財務危機に陥っていることを解説しているのであります。

こうした状況の中、グループ全体に一斉に財務引き締めの号令がかかったことは間違いないのであります。

当然のように年俸20億円とも言われるイニエスタも、例外ではなかったのであります。

しかしながら、三顧の礼で迎えたイニエスタを、出場機会を奪うと言う、まるで蹴って追い出すかのようなやり方、正にこれに冒頭申しあげました「後味の悪さ」を感じたのであります。

最後まで出場機会を保証したうえで円満退団に、なぜできないのか、きわめて陰湿と言わざるを得ないのであります。

イニエスタ選手の今後の活躍を祈るばかりであります。 KAI

昨日NHKEテレで笑わない数学 「abc予想」の再放送をみたのであります。

そして久しぶりに、宇宙際タイヒミュラー理論に出会ったのであります。

これについて言及しましたのが、11年前の以下のエントリーであります。

知の爆発−−直感を疎かにしてはいけない(4)、投稿日:2012年9月23日

今回は、このエントリーの再掲であります。


知の爆発−−直感を疎かにしてはいけない(4)、投稿日:2012年9月23日

今週は、この情報に、KAIの心は大きく揺さぶられているのであります。

 現代の数学に未解明のまま残された問題のうち、「最も重要」とも言われる整数の理論「ABC予想」を証明する論文を、望月新一京都大教授(43)が18日までにインターネット上で公開した。

 論文は4編の500ページ。整数論の代表的難問であり、解決に約350年かかった「フェルマーの最終定理」も、この予想を使えば一気に証明できてしまうことから、欧米のメディアも「驚異的な偉業になるだろう」と興奮気味に伝えている。

 ABC予想は1985年に欧州の数学者らによって提唱された。AとBの二つの整数とこれらを足してできる新たな整数Cを考え、それぞれの素因数について成り立つ関係を分析した理論で、整数の方程式の解析では「最も重要な未解決の問題」とも言われる。

 望月教授は米プリンストン大数学科を19歳で卒業、京大助手などを経て現職。
難問「ABC予想」解明か 望月京大教授 話題沸騰

これから「ABC予想」なるものがいかなるものか、じっくりとご説明するのでありますが、まずもって今回のビッグニュースの本質は、まったく別のところにあるのであります。

それは、望月教授がご自身の「内的過程」を明らかにされるかどうかは別にして、今回の成果がコンピュータグラフィックスの「大進化」の延長線上にあると、KAIは確信するのであります。

この「ひも」と言う概念が直観的にわかりやすいこともあって一見とっつきやすそうでいて、いざ取り組み始めると、たちまち10次元、11次元といったトポロジー空間のお話になって、ではこれを数理的にどう処理すればいいか、皆目見当がつかない、そう言うとんでもない「理論」であったのであります。

それがいまでは、若い研究者の間で、苦も無く数理計算ができるようになったと言うのが、さきほどの3次元宇宙誕生のシミュレーションの研究と言うわけであります。
知の爆発−−直感を疎かにしてはいけない

いままでであれば、紙とエンピツが「武器」と言われた、理論物理と数学の世界。これが高次元トポロジー空間をコンピュータグラフィックスでシミュレーションできるようになって、一変した。この結果の、今回の研究成果であります。

そこで、であります。

「ABC予想」とは、なんであるかであります。

それは、「素数」の集合の大きさがどの程度のものか、これを予想するものであります。

これをもう少し具体的に理解するためには、そもそも「素数」とはいかなるものか、まずもってこの勉強から始める必要があるのであります。

素数とは、ただ2つだけの正の約数を持つ自然数、すなわち 1 と自分自身のみで割り切れる自然数かつ 1 でない数と定義される。例えば、5 の正の約数は 1, 5 だけなので素数である。一方で 4 は、正の約数が 1, 2, 4 なので素数でない。2以上の自然数で素数でないものを合成数と呼ぶ。
素数、Wikipedia

すなわち、自然数とは、素数と、その素数を掛け合わせたできた合成数、この2種類だけの数から成り立っていると言うことであります。

当然、自然数が無限に存在するように、素数も合成数も無限に存在するわけであります。

それぞれ無限に存在するけれども、常に以下の関係が成り立つことは自明であります。

素数の集合 < 合成数の集合

そこで、「ABC予想」であります。

A、B、Cと3つある自然数がそれぞれ持つ異なる素数をすべて掛け合わせた合成数(L)と、Cとの大きさを比較するものとする。

但し、A+B=Cで、AとBは互いに素であるとする。

ここでLのd乗を、L(d)と書くことにすると、「ABC予想」とは次のようになるのであります。
  • 1<d<2の場合

    L(d)<Cを満たすLの集合は有限である。

  • d=2の場合

    L(d)<Cを満たすLの集合は存在しない。
    (L(2)>Cが常に成立する)

すなわち、一部の素数の集合とその関連する自然数の大きさの比較の次元数が2であるということであり、この次元数以下の素数は有限にしか存在しないと言うことであります。

もしこの予想が証明されたとすると、これは暗号解読にとってきわめて重要な制約条件となるのであります。つまり解読効率の大幅な向上であり暗号アルゴリズムにとって、セキュリティ上の重大危機であります。

そこで、であります。

望月教授の、「証明」であります。

Inter-universal Teichmuller Theory I: Construction of Hodge Theaters.

KAIのレベルでとても読みきれるものではありませんが、この理解のヒントになるのが、こちらの説明であります。

IUTeichって何?「そっくりアニメ」による解説

望月教授が打ち立てた宇宙際タイヒミュラー理論(Inter-universal Teichmuller Theory)とは、フラクタル構造を持つ多次元トポロジー空間ではないかと想像するのであります。

「そっくりアニメ」で描かれている入れ子構造をフラクタル構造と言うのでありますが、このフラクタル構造を理解するうえでもっとも重要な概念が「被覆次元」と言う概念であります。例えば「被覆ハウスドルフ次元」と言うものがあるのでありますが、簡単にこれをご説明すると次のようになるのであります。

l(d)+l(d)+ ・・・ +l(d)=Sdとすると、
(l(d):被覆切片の長さlのd乗、Sd:測度(l(d)の総和))

被覆ハウスドルフ次元(D)とは以下のように定義される。

d<Dのとき、Sd≠0
D<dのとき、Sd=0

あるいは、

d<Dのとき、Sd=∞
D<dのとき、Sd<∞

いかがでしょうか。最初にご説明したABC予想の式と、これは「なんとなく」似ているとは思いませんか。

つまり、ABC予想における被覆ハウスドルフ次元とは「2」であるとの「類似」であります。

すなわち、このD=2より小さい乗数dの場合にのみ、これを満たす測度が有限に存在し、D=2より大きい乗数dの場合は、d乗の測度は一切存在しなくなる、と。

実際問題、望月教授の、宇宙際タイヒミュラー理論とは、この高次元トポロジー空間の構造自体を「宇宙」として定義することにより、この「宇宙」同士がフラクタルに「接続」するための「ルール」を、テータ関数(被覆次元の拡張)を使ってパターン化する「理論」であると、KAIは、勝手解釈するのであります。

これが、いかに画期的「理論」であるかは、すでに欧米メディアが伝えるところではありますが、これはこの「宇宙際タイヒミュラー理論」が、理論物理で言うところの「大統一理論」の「性格」を有しているからであります。

「素数」とは、数論における「素粒子」であります。

「素数」は無限に存在するとは言え、その「素数」そのものの実態は、依然よくわかっていないのが現状であります。

もしかしたら、この「宇宙際タイヒミュラー理論」によって、「素数」そのもの同士の関係が解き明かされるかもしれない。

21世紀の「知の爆発」は、とどまることを知らないのであります。 KAI

いよいよウクライナ軍による反転攻勢が始まるのであります。

果たしてこの戦いはどのような形で展開するのか。これを占うキーワードが「形成作戦」と呼ばれる作戦なのであります。

(CNN) ウクライナ軍が予想されるロシア軍への反転攻勢を前に、準備段階に当たる「形成」作戦を開始したことが分かった。米軍や欧米当局の高官がCNNに明らかにした。

形成作戦の内容には、部隊の進軍に備えて戦場の状況を準備するため、武器集積所や指揮所、装甲車、火砲を攻撃することが含まれる。大規模な連合作戦の前に行われる標準的な戦術となっている。

ウクライナが昨年夏に南部と北東部で反攻を仕掛けた際にも、事前に航空攻撃で戦場を形成する作戦が行われた。米軍高官によると、こうした形成作戦は、予定されるウクライナの攻勢の主要部分の前に何日も続く可能性があるという。
ウクライナ軍、反攻に向けた「形成」作戦を開始 米軍高官、2023.05.12 Fri posted at 11:43 JST

すでにこの形成作戦は開始されているようでありますが、この作戦の主な目的は、ロシアの支配地域にいるロシア軍の兵站を断つことであります。

すなわち、ウクライナ領土内にあるロシア軍のすべての補給基地への攻撃により、補給基地をロシア領土に後退させることであります。これを反転攻勢と並行して行うことで、ロシア軍の前線部隊を弱体化し、前線突破を図っていくことができるのであります。

更に、ロシア軍が築いている3重構造の防衛線の突破でありますが、以下のNHKのビデオにその方法が詳しく解説されているので、ご覧いただきたいのであります。

大規模な反転攻勢をめぐり、ウクライナの国家安全保障・国防会議のダニロフ書記が、27日までにイギリスのBBCのインタビューに対し「あす、あさって、あるいは1週間以内に始まる可能性がある」と発言しています。

一方、ロシア側は、戦況がこう着した去年夏ごろから、ウクライナの反撃を阻止するため、支配地域に幾重もの防衛線を築いてきました。イギリス国防省はザポリージャ州では、ロシア軍がおよそ120キロにわたって3重の防衛線を築いていると明らかにしています。

防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんの解説です。

(5月27日の「サタデーウオッチ9」で放送された内容です)
(動画は8分24秒。データ放送ではご覧になれません)
【兵頭慎治さん動画解説】ロシア軍が築いた3重の防衛線とは、2023年5月29日 19時08分

これらの反転攻勢は、恐らく半年以上続くと考えられているのでありますが、北東地域の前線突破を契機に、次第に南部地域へと戦線が拡大すると、KAIは考えているのであります。

これであれば、南部地域へ3重構造の防衛線の内側から攻撃することができ、ロシア軍に大打撃を与えることが可能になるのであります。

そして、最終局面はクリミアの奪還であります。

形成作戦でクリミアの部隊の兵站を断ち、ロシア軍を孤立させるのであります。

ロシア軍の反撃は相当激しいものになるのでありますが、兵站を断たれた以上、もって半年、ウクライナの勝利となって終戦を迎えることになるのであります。

もちろんこれはKAIの強い願望ではありますが、下記エントリーで述べました通り、ウクライナ軍の士気は非常に高く、必ずや彼らはこれを成し遂げると思うのであります。

更に、これを裏付けるのが、両軍の士気の圧倒的違いであります。

ウクライナの士気は、ロシアへの強い怒りであり、一方のロシアは戦闘の強制による恐怖に支配された士気であります。

兵力における大きな差がない以上、明らかに最前線の戦闘能力における士気の優劣の差から、結果は導き出されるのであります。
ロシアの歴史的愚挙に思う(8)、投稿日:2023年1月31日

 KAI

このブログを始めて、なんと19年が経ったのであります。

このところエントリーアップが月一のペースではありますが、KAIにとって唯一の自前の情報発信の場になっておるのであります。

SNSを含めてどうしても自前でない場は、管理者の制限を受けざるを得ず、なかなか思い通りの自由な発信ができないのであります。

こんな中にあって、20年近くの長きにわたって、ドメインを維持できたことは、関係者のみなさまのご協力の賜物と、感謝申し上げるのであります。

それでは、ブログスタートのエントリー、「DBエンジン開発ストーリー」をご覧ください。 KAI

トヨタなど日本勢に追い風 EV一辺倒だったEUがエンジン車販売禁止を転換、2023/3/27 22:32

案の定であります。昨年、2035年までにエンジン車の販売を禁止し全面的にEVへの移行を目指していたEUでありますが、ここにきて一転方針転換であります。

EVの問題は、すでに以下のエントリーで指摘してきたとおりであります。

そしてコロナの次は炭素問題、投稿日:2021年12月31日

今回、ドイツがいかなる理由で方針転換を申し入れてきたかと言いますと、前掲の産経の記事によりますれば「エンジン関連の雇用損失」問題があったとのことであります。

方針転換の背景には、フォルクスワーゲン(VW)やBMWなど多くの自動車大手を抱えるドイツでエンジン関連の雇用損失を懸念する声が強まっていたことがある。
トヨタなど日本勢に追い風 EV一辺倒だったEUがエンジン車販売禁止を転換、2023/3/27 22:32
そこで気になりますのが、エンジン車の使用条件となります「合成燃料」であります。
e-fuelは合成燃料の1種となるが、その合成燃料はCO2とH2を合成して製造される燃料であり、ガソリン、軽油、灯油などの混合物を含む「人工的な原油」のことを言う。
・・・
しかしe-fuelは、燃焼時に排出されるCO2が通常のガソリンを使った場合と同じである(図1)。
・・・
 だが、製造時にCO2を資源として利用するため、CO2の排出量と吸収量を差し引いて全体としての排出量はゼロとなる。このため、カーボンニュートラルである「脱炭素燃料」と言われている。
e-fuel(合成燃料)とは何か? トヨタも取り組む「CO2を排出しても脱炭素」の作り方
なるほど、排出する二酸化炭素量がガソリン車と同じでも、燃料製造時に二酸化炭素を使用するので、実質合成燃料は二酸化炭素の排出量がゼロであると言う理屈であります。

しかしながら問題は合成燃料の価格であります。ガソリンに比べて2〜5倍といわれる価格の合成燃料を使用するエンジン車は果たして市場に受け入れられるのでありましょうか。

ここで世界の潮流に目を向けてみることにするのであります。

米国は2030年までに新車の販売をゼロエミッション車にするという目標を立てているが、米国ではゼロエミッション車にPHVも含まれる。また中国は、2035年までに新車の販売の50%をEVにする一方、残り50%をHVにする目標を立てている。

日本は2035年までに新車の販売を電動車に限定するが、HVやPHVも含まれる。

ライフサイクル・アセスメントの観点から言えば、BEVよりもHVやPHVの方が温室効果ガスの排出が少ないという試算もある。それにHVやPHVも、さらなる技術革新で温室効果ガスの排出を抑制できる可能性がある。米国に中国、そして日本は、そうした「BEV以外の手段」で自動車の脱炭素化の実現を模索する可能性が残されている。
EVをめぐる、欧州「2035年ゼロエミ100%法案」に噴出する“問題”…本当にやりきれるのか?、Jun. 17, 2022, 07:15 AM

世界の潮流の中心は、EVではなくPHVないしHVにあると言えるのであります。

つまり、EUが容認したエンジン車とはHV車に他ならないのであります。

そうです、ドイツの自動車メーカーは、日本のメーカーに技術的に遥かに後れを取ったHV車でしか生き残れないし、しかも欧州では合成燃料しか使用できなくなるのであります。

これは更にドイツの自動車メーカーだけでなく欧州の自動車メーカーすべてに当てはまることになり、結局のところEUはガソリンエンジンを受け入れざるをえなくなると、KAIは見ているのであります。

はてさて、いかなることになるのでありましょうか。 KAI

ロシアの歴史的愚挙に思う(9)

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朗報であります。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を巡り、プーチン政権の意向に沿った報道を続けているロシア国営テレビで、ニュース番組の放送中に突然、職員の女性がスタジオで反戦を訴えました。
言論統制が強まる中、国営メディアから政権批判の声があがった形で、反響が広がっています。

ロシア国営の「第1チャンネル」で14日、午後9時の看板ニュース番組「ブレーミャ」で、キャスターが、欧米による経済制裁についてのニュースを伝えていたところ、手書きの文字が書かれた紙を持った女性が突然スタジオに入ってきました。

紙には「戦争反対」という英語とともにロシア語で「戦争をやめて。プロパガンダを信じないで。あなたはだまされている」と書かれていました。

女性が「戦争をやめて」と繰り返し叫んでいたところ、放送は突然、別の映像に切り替わりました。

ロシアのメディアによりますと、女性はこのテレビ局で編集担当者として働くマリーナ・オフシャンニコワさんで、このあと警察に拘束され、公共の場で軍事行動の中止を呼びかけることなどを禁止した法律に違反した疑いで取り調べを受けているということです。

オフシャンニコワさんは、事前に収録していたビデオメッセージをSNSに投稿していて、父親がウクライナ人、母親がロシア人だと明かしながら、「今、ウクライナで起きていることは犯罪だ」と述べ、プーチン大統領を非難しました。

プーチン政権は、軍事侵攻に反対する声がロシア国内で高まっていることに神経をとがらせ、法律を改正するなどして言論統制を強めています。

こうした中で政権の意向に沿った国営テレビの放送の最中に図らずも反戦を訴えるメッセージが伝えられたことに対して、SNS上ではロシア国内からも賛同したり応援したりするメッセージが相次ぐなど、反響が広がっています。

【全文】SNS事前投稿メッセージ

1分10秒ほどのビデオメッセージの全文です。

「いまウクライナで起きていることは犯罪だ。そしてロシアは侵略者だ。侵略の責任は、ただ1人の道義的な部分にかかっていてそれはプーチン大統領だ。私の父はウクライナ人、母はロシア人で、敵対したことは1度もない。私の首にかかるネックレスはロシアがこの同胞を殺し合う戦争を直ちに止めなければならないという象徴だ。兄弟国である私たちはまだ和解できるはずだ。残念ながら私は過去何年もの間、『第1チャンネル』でクレムリンのプロパガンダを広め、今はそれをとても恥じている。テレビ画面を通してうそを伝えることを許してきた自分を恥じている。ロシアの国民がだまされるのを許してきたことを恥じている。すべてが始まった2014年、クレムリンがナワリヌイ氏を毒殺しかけたとき、私たちは抗議集会に行かず、この非人間的な政権をただ黙って見ていた。そして今、世界中が私たちに背を向けている。今後10世代にわたる子孫はこの同胞による戦争の恥を洗い流すことはできまい。私たちは思考力があり、賢いロシア人だ。この暴挙を止めるには、私たちの力しかない。抗議集会に加わってほしい。当局は全員を拘束することなどできず、何も怖がることはない」
【詳報】ロシア国営テレビ職員 放送中に突然「反戦」訴え、2022年3月15日 19時28分

そうです、マリーナ・オフシャンニコワさんの、死を覚悟した政府への反旗であったのであります。

もちろん彼女は拘束され、拘留されると思いきや、釈放され、テレビ局を退職したものの、米国テレビ局の取材に応じるなど、いまなお情報を発信し続けているのであります。
ロシアの歴史的愚挙に思う(2)、投稿日:2022年3月30日

このマリーナ・オフシャンニコワさんが今現在無事である報道がありましたので、ご紹介するのであります。
去年、ロシア国営テレビのニュース番組の放送中、スタジオに入って反戦を訴えた元職員の女性がフランスのパリで記者会見し、当局に身柄を拘束される恐怖からロシアから脱出した経緯を語りました。

ロシア国営テレビの元職員、マリーナ・オフシャンニコワさんは、在職中の去年3月、ニュース番組の放送中にスタジオに入り、「戦争反対」と書いた紙を掲げてロシアによるウクライナ侵攻を批判し、ロシア当局から指名手配されていました。

オフシャンニコワさんは10日、パリに本部がある国際的なジャーナリストの団体「国境なき記者団」で記者会見し、ロシアから脱出した経緯を語りました。

この中でオフシャンニコワさんは、当局に身柄を拘束される恐怖から去年秋、捜査機関の追跡が手薄になると判断した休日の夜間を選んで、ロシアからの脱出に踏み切ったと明らかにしました。

そして、車を7回乗り換え、警戒にあたる国境警備隊の車の光におびえながら、星の光を頼りに徒歩で国境を越えたと述べ、「結果として運が良かった」と語りました。

また、ロシアのメディアの状況について「ウクライナのブチャやマリウポリで起きたことはフェイクだとされている。ロシアの人々はプロパガンダ情報があふれた、墓の中の住人だ」と述べ、当局による厳しい情報統制が続いていると指摘しました。

そして「終わりが見えない戦闘が続き、ロシアの犯罪行為はどんどん残忍で攻撃的になっている。この戦争がウクライナの完全なる勝利で終わらないとロシアの未来もない」と述べ国際社会が団結してウクライナを支援するよう呼びかけました。
放送中に反戦訴えたロシア国営テレビ元職員 脱出の経緯語る、2023年2月11日 10時18分

さすがに、反旗翻した職員を直後に拘束はまずいと思って監視対象としていたのでありましょうが、無事国外へ脱出できたようで、安堵の言葉しかないのであります。

前回のエントリーでもお伝えしました通り、ロシアにはもはやメディアを通した世論が戦争を制止する力がまったくもってないのであります。

今後は、ロシア政府を批判して殺害されたリトビネンコや、アンナ・ポリトコフスカヤのように、彼女がならないことを願うばかりなのであります。 KAI

ロシアの歴史的愚挙に思う(8)

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もはやこの戦争は、終わりのない戦争になってしまったのでありましょうか。

ここにきて秀逸なる記事を見つけましたので、ご紹介したいのであります。

ロシア社会は“プーチンの戦争”を止められない、2023年1月27日

以下、引用しながらコメントさせていただきたいのであります。

「ロシアには人々が意見を表明できる仕組みがない」

ロシア社会について独自の分析を続ける社会学者として知られるレフ・グドゥコフ氏は、いまのロシアの現状をそう語りました。

政権に批判的な姿勢を変えることなく、世論調査や分析を続けてきた独立系の世論調査機関「レバダセンター」で、所長を務めてきたグドゥコフ氏。

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア、そしてプーチン大統領をどう見ているのか。
話を聞きました。

(聞き手 モスクワ支局記者 禰津博人)

NHK記者による、ロシアの独立系世論調査機関「レバダセンター」元所長グドゥコフ氏のインタビュー記事であります。
戦争は、名目上はほぼ変化なく支持されており、ピークは2022年3月で、その後いくぶんか低下しましたが、およそ72%から75%になります。

一方で、特に2022年9月の動員宣言後、軍事活動の停止や交渉の開始を願う人が増え始めました。それまで戦争はバーチャルな、テレビの中での性格を帯びており、国民の大多数には影響していませんでしたが、動員のあと態度は変化しました。

8月には、48%の人が「勝利で終わるまで、ウクライナを完全に壊滅させるまで戦う必要がある」と主張し、44%が「もう停戦交渉を始めるときだ、戦争は長期化している、戦争の代償は高すぎる」と考えていましたが、10月以降には50%以上が軍事活動の停止に賛成し、戦争の継続に賛成した人は30%から40%台にとどまりました。

この彼の調査結果は、KAIが9月のエントリーで指摘したことと同じなのであります。
これに対して、30万人といえども動員による戦争当事者に仕立て上げることで、家族を含めて、戦意を戦場に繋ぎとめることを、プーチンは目論んでいるのではないかと思うのであります。

しかしながら、この目論見は真逆の結果を招くことになるのではないかと、KAIは考えるのであります。

それは、今回の動員に応じなければ、懲役10年の刑が科せられるために、いやいや戦地に赴くことになるからであります。家族もまた同様であります。

プーチンの目論見とは逆に、この動員で、一部の国民の中に、厭戦気分が拡散されることになると思うのであります。

さらには、動員した兵士が戦力になるより前に、ウクライナは奪われた領土を奪還し、ロシア軍のさらなる撤退が、厭戦気分に拍車をかけることになるのであります。
ロシアの歴史的愚挙に思う(5)、投稿日:2022年9月25日

しかしながら、同氏は、このロシア社会の厭戦気分が戦争の行方になんら影響を与えないと、すべてに悲観的なのであります。

以下引用。
「ロシアは民主主義国ではありませんし、世論は体制が下す決定に何の影響力も持っていません。」

「威嚇することで自分の意見を表明するなどの権利を失わせながら、国民、社会への弾圧を進めています。体制はただ強権的になりつつあるのではなく、独裁的になりつつあります。」

「ソビエト時代の二重思考の技能はここに由来しています。自宅の台所でなら、罵ったり思っていることを話したりできます。ですが、公の場では人々は政権が彼らに期待している通りに行動するのです。」

「今ではロシアが戦っているのはもうウクライナのナチズムではなく、集団的な西側諸国であり、この状況に耐えるようにとプーチン政権は呼びかけています。」

「ウクライナとの戦争の責任は何よりもアメリカにあると考えている人は60%以上います。ウクライナが悪いと考えている人は17%のみです。ロシアだと考えているのはおよそ7%です。」

「反対派がおらず、情報空間は完全に管理されており、人々には耳を傾けることのできる権威ある意見がないので、起きていることを解釈できないのです。」

「私たちは遅かれ早かれ、指導部内の公然とした衝突を目にするでしょう。そうなれば世論が大衆の雰囲気を表現するチャンネルとなると思います。そうなって初めて、何かが変わるかもしれません。ただ、今はまだそうではありません。」

「警察と、大統領直属の準軍事組織、国家親衛隊は戦争に反対するあらゆる演説を弾圧しているので、人々にはできることがありません。人々は意見を表明することはできないと思っています。」

「この状況に対する責任を自ら負い、状況を変える用意のある社会勢力は見当たりません。 SNSでは反対派から涙や号泣、彼らの状態に対する苦情、プーチン氏の糾弾、罵倒や憎悪が見られますが、強力な反戦活動、反対派の活動の出現につながるような具体的なものは見られません。私は2023年を非常に悲観的に見ています。」

要するに、この戦争を終結させるには、ウクライナがロシアに完全勝利するしかないということであります。

問題はこの完全勝利するまでに、果たしてどれくらいの期間を要するものかってことであります。

このところロシア軍が再び大規模な攻撃を仕掛ける可能性も指摘されているのでありますが、これまでの戦況を見る限りにおいて、ロシア軍は後退を余儀なくされており、ロシア軍が反転攻勢に転ずることは不可能ではないかと思うのであります。

今後も続くさらなるウクライナに対しての欧米による戦車等の兵力の供与によって、ウクライナの攻勢が続くとすると、そう期間を要せずにクリミアを含めたロシア軍の全面的敗走が始まるのではないかと思うのであります。

更に、これを裏付けるのが、両軍の士気の圧倒的違いであります。

ウクライナの士気は、ロシアへの強い怒りであり、一方のロシアは戦闘の強制による恐怖に支配された士気であります。

兵力における大きな差がない以上、明らかに最前線の戦闘能力における士気の優劣の差から、結果は導き出されるのであります。

ウクライナの全面的勝利を願うばかりであります。 KAI

ロシアの歴史的愚挙に思う(7)

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戦争が始まって10カ月。とうとう年越しであります。

ここ2、3カ月で、大勢が決することになるのではないかと思うのであります。
ロシアの歴史的愚挙に思う(5)、投稿日:2022年9月25日
このコメントが、まだ間違いだったと確定したわけではないのでありますが、戦場が過酷な冬場となって、物資不足に陥っているロシア軍にとって戦況はますます不利なものになるのは間違いないのであります。

ここにきて秀逸なる記事がありましたので、ご紹介させていただくのであります。

プーチン大統領がミスを犯した?

孫子の言葉に「敵が間違いを犯しているときには決して邪魔をするな」というのがあったと思いますが、ロシアの敵はご存じのように数多くの間違いを犯していました。

アフガニスタンで失敗し、NATOは弱体化し、ヨーロッパ各国は防衛費を使おうとしませんでした。アメリカにはトランプ前大統領がいて、アメリカ第一主義の立場でした。「なぜNATOが必要なのか」というところにまでいったのです。フランスのマクロン大統領は「NATOは脳死状態で我々は戦略的自治を求める」と言っていました。NATOはあらゆる面で弱体化し、アメリカは独自の道を歩んでいました。

まさにそんな中、プーチン大統領はヨーロッパを攻撃するというとんでもない行動に出て、そのたった1つの行為がNATOを団結させることになりました。彼は地上戦を始め、ポーランドに、そしてNATOに直接流入する何百万人もの難民を生み出したのです。

プーチン大統領の行動がNATOを団結させ、NATOを強化したのです。彼はチェスの名手でありロシアの偉大な戦略家だったはずですが、最も重大な戦略的ミスを犯しました。世界の舞台においてこれまでで最悪の戦略家の1人になってしまったのです。
プーチン大統領の判断ミス? 「ロシアは“ならず者国家”に」、2022年12月27日

なるほどであります。この結果がNATOや米国による強力なウクライナ支援となったと言うことなのであります。

それにしてもプーチンであります。

プーチンの頭の世界を想像するのは簡単なんであります。

■ウクライナを侵略し、ウクライナ全土をロシアの支配下におけると確信していた
■これに失敗し、軍の今回の最高司令官に命じて、ウクライナの部分的領土侵略に切り替えた
■この戦況がプーチンに正しく伝えられることなく、プーチンは、長期戦を覚悟した
■そのためにプーチン自らロシア同盟国への働きを強めることで、持久戦を有利に進めようと考えた
■あわせて前戦とは別に、ウクライナ各地のインフラの破壊を意図し、ミサイル攻撃を指示したのであります。

ところがであります。ミサイルは有限であります。これはやがて限界を迎えるのであります。

すでに申し上げました通り、ロシアの地上戦力は疲弊の一途をたどっているのであります。

ここにきて、ロシアにとって戦況が有利になる情報は皆無といってよろしいのであります。

しかしながら、冷静にこの状況を考えますならば、恐らくこの戦争は泥沼の様相を呈する危険性を、ここにきましてKAIは感じざるを得ないのであります。

はたして来年は、どのような展開になるのでありましょうか。

みなさま、良い年をお迎えください。 KAI