パンデミックの正体(18)

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今年最後のエントリーは、ツイッター(ドメイン名)のコミュニティーノートを引用して、反ワクチン、反マスクの人たちの実態に迫るのであります。

コミュニティノートがこのツイートに追加されました、午前11:47 2023年12月30日

ワクチン接種が始まってから原爆死者数の倍近くの死者が出ていることに気付いているだろうか?日本だけではなくG7各国でも総死亡数が増えている。

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新型コロナウイルス禍で死者数が増えるのは当たり前のことです。

ポスト主の主張は、2020年の死者数が前年より減っていたことから、2021年に開始されたワクチンが原因である、というものです。

しかし2020年の死者数の減少については、感染対策の結果インフルエンザなどによる死亡数が減少したためと分析されています(1)(2)

また、ワクチンが原因で死亡しているのであれば、ワクチンの接種が行われたあとに死亡者数が増えるはずですが、実際には死亡者数が増える→ワクチン接種→死亡者数が減る、という傾向になっています(3)

(1) ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85…
(2) nikkei.com/article/DGXZQO…
(3) mhlw.go.jp/content/106010…

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肛門科女医 みのり先生@koumonka_doctor、午後9:35 2023年12月29日


コミュニティノートがこのツイートに追加されました、午前9:25 2023年12月25日

ほらほらほら。コロナのワクチンで月経不順が起こる。が追加されるだけでなく心疾患についてワクチンへの記載を義務付ける可能性が出てきた。これからの研究でどんどん爆弾が判明してくるだろう。

政府と厚労省そして「運び屋」の責任は極めて重い❗️

Jack砲💥FDA(米国食品医薬品局)ファイザー社とModerna社のmRNAワクチンに心臓に関する警告を追加か🧐米国食品医薬品局(FDA)は、従来とは異なるmRNAワクチンを接種した後に心臓の炎症(心筋炎や心膜炎)が発生したことを受けて、ファイザー社とモデルナ社のワクチンに警告ラベルを追加する⇛続く
Jack_hikuma Los Angeles@jack_hikuma、午後6:53 2021年6月25日
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ワクチン接種による月経不順において、その後の月経周期で速やかに元に戻ることが知られているとされています。

cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0092.html

CDCは、mRNAワクチン接種による心筋炎発生率は非常に低く、ワクチン接種のメリットがリスクを上回っているとしています。

www3.nhk.or.jp/news/html/2021…

cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0079.html?s…

また、厚生労働省も、新型コロナウイルス感染症により心筋炎や心膜炎を合併する確率は、ワクチン接種後に心筋炎や心膜炎を発症する確率と比較して高いこと等も踏まえ、現時点においては、接種によるベネフィットがリスクを上回っており、全年代において、ワクチン接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとしています。

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野中しんすけ@ただの看護師@nonaka_shin、午後10:35 2023年12月23日


コミュニティノートがこのツイートに追加されました、午後10:21 2023年12月24日

コロナワクチンで「心不全が200倍以上も増加」しているというのに、のんきにそんな実験している場合じゃないだろ。理研は、アホか。
news.yahoo.co.jp/articles/f82d4d707…

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日本循環器学会の循環器疾患診療実態調査報告書によると日本の1500程の調査医療機関の心不全疾患コードを持つ症例数と心不全入院中の死者の推移は以下の通りで
いずれにおいても心不全が200倍になったという事実は存在しません。
18年215069 22999
19年217241 23363
20年208122 21931
21年212324 23461
22年211371 25023
出典
j-circ.or.jp/jittai_chosa/a…
(調査医療機関数は年度により±2%程ばらつきます,出典中の表で2023年とあるのは2023年調査の22年データという意味)

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Laughing Man@jhmdrei、午前7:15 2023年12月24日


コミュニティノートがこのツイートに追加されました、午前11:22 2023年12月24日

マジで今ここか。
ワクチン後に日本人の死亡が30万人も増えた!(東日本大震災で2万人↑)こととか、後遺症被害もありえないくらい激増してることとか、そもそもあろうことがあの国家機関の厚労省がデータをちょろまかしてたこととか、全部無視できるって人って政治家として終わってますよね。
5日前に彼のYouTubeでアップされたもの。ワクチンで多くの命が救われた?反ワクのフェイクニュースがやたら流されてる⁉️
Twitterに取り締まれ⁉️
厚労省からしっかりしたデータ出してもらいたい⁉️
全て貴方に言いたい。
良い加減なことを吹くんじゃない!
許せん。
被害者や死者に対する冒涜やわ。
これで政治家?
大臣なん?
鵜川和久@sousyou13、午後4:41 2023年12月22日
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ワクチンは導入後1年で世界で2000万の命をすくったとlancetに報告されています↓
thelancet.com/journals/lanin…
また例えば平均寿命は日本は男女とも19年と比べ21年は男女とも0.1年程増加し22年は0.36年減少でした↓
mhlw.go.jp/toukei/saikin/…
一方で代表的な低接種高齢国であるブルガリアは19年比で3.5年の平均寿命減少を21年に見せる等、低接種率は強固に平均寿命の短縮と関連したと学術報告されています↓
nature.com/articles/s4156…
接種後遷移症状は厚労省報告で38専門機関から128症例の因果関係不明の報告があり現時点で懸念を要するような特定の症状や疾病の報告の集中はみられなかった。と報告されています↓
mhlw.go.jp/content/106010…

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森田洋之@コミュニティードクター/医療経済ジャーナリスト/「医療」から暮らしを守る医師/音楽家@MNHR_Labo、午後8:24 2023年12月22日


コミュニティノートがこのツイートに追加されました、午後3:49 2023年11月22日

ウィルスからすれば、
何も着けてないのと同じ。

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誤った情報を含む画像です。

ウイルスは単体で空気中に浮遊しているわけではなく、飛沫やエアロゾルに含まれるかたちで存在します。
会話やくしゃみの飛沫は5μm以上です。
エアロゾルは様々な大きさがありますが、空気中を漂うことができる10μm程度の飛沫にはウイルスの含まれる量が低く感染源になる可能性は極めて低いです。1μm程度の飛沫にはほとんどウイルスは含まれていません。
隙間が5μmの一般的なマスクをすることでエアロゾル感染、飛沫感染を防ぐことができます。
jda.or.jp/corona/Know-ma…
niid.go.jp/niid/ja/2019-n…
jstage.jst.go.jp/article/sptj/5…

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Laughing Man@jhmdrei、午前9:36 · 2023年11月21日

いやはや、反ワクチン、反マスクの人たちの騒動に明け暮れた1年であったのであります。

みなさま、良い年をお迎えください。 KAI

老衰死とBMIの関係とは

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老衰死は、数年前からBMIが減り始めることで予見できるってことを、昨日のNHKBSの再放送(ヒューマニエンス 40億年のたくらみ 「“死の迎え方” ヒトの穏やかな死とは」)でKAIは初めて知ったのであります。

そこでネットに情報がないか調べたところ、あったのであります。

 これまでに話を聞いた2人の医師によれば、老衰死する人は1週間~10日ほど前から水分や食事を一切取らなくなる。それは「食べたくても食べられない」のではなく、「食べたくない」「必要がない」から食べないのだという。

 しかし、老衰死する人の「食べたり、飲んだりする必要がない」時期はもっと前から始まっているのではないか? そんな疑問に答えてくれるのが、東京有明医療大学看護学部看護学科の川上嘉明准教授が作成した研究データ(図)だ。

 国内4カ所の介護保険施設で死亡した入居者131人を対象に、1日の食事量をカロリーベースに換算した数字、1日の水分量、BMI(体格指数)の変化を5年前までさかのぼってデータ分析したもので、対象者は全員が口から食べ、人工的な水分・栄養補給は施されないまま死に至っている。
「老衰死」は数年前に予測できる?、公開日:2017年03月22日 更新日:2017年10月05日

「これを見ると、BMIは亡くなる5年ほど前から落ちていき、2年ほど前になると不可逆的・加速度的に落ちていきます。最終的に『やせ』と判定される18・5をさらに下回る人が大多数です。食事も亡くなる1年くらい前から徐々に減っていき、8カ月前から目に見えて落ち、1日あたり600キロカロリーを切ってきます。水分も同じです。注目すべき点は、1200キロカロリーはこの年代の要介護高齢者が生きていく上で十分な栄養量にもかかわらず、食べても体重がどんどん減っていることです」

■BMI、食事量、水分量が不可逆的、加速度的に落ちていく

 食べたものが体重維持につながらないということは、「栄養が体格を一定に維持することにつながっていない」ということにほかならない。
Page 2

老衰死とは、顕著な病気による死以外の加齢による死を言うのでありますが、この時期がBMIが減り始めた数年後であると言うことが分かると言うのであります。

このお話を知って、我が家は大いに喜んだのであります。

と言いますのも、KAIの母親は現在95歳であります。要介護5ではありますものの、食欲は至って旺盛でありまして、持ち上げるのに重くなる一方なのであります。

この分ではありがたいことに100歳まで大丈夫のようであります。

追加でありますが、BMIの豆知識をご紹介して、今回のエントリーはお仕舞とさせていただくのであります。

[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値。肥満や低体重(やせ)の判定に用いる。

肥満度を表す指標として国際的に用いられている体格指数で、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で求められます(身長はcmではなくmで計算します)。

計算方法は世界共通ですが、肥満の判定基準は国によって異なり、WHO(世界保健機構)の基準では30以上を”Obese”(肥満)としています。

日本肥満学会の定めた基準では18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」で、肥満はその度合いによってさらに「肥満1」から「肥満4」に分類されます。

BMIが22になるときの体重が標準体重で、最も病気になりにくい状態であるとされています。25を超えると脂質異常症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクが2倍以上になり、30を超えると高度な肥満としてより積極的な減量治療を要するものとされています。

なお内臓脂肪の蓄積は必ずしもBMIと相関しないため、メタボリックシンドロームの診断基準には盛りこまれていませんが、メタボリックシンドローム予備軍を拾い上げる意味で特定健診・特定保健指導の基準にはBMIが採用されています。
BMI(BMI)/ Body Mass Index / ボディ・マス指数 / 体格指数 /

 KAI

人手不足問題を考える

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今回は、人手不足について考えてみたいと思うのであります。

きっかけは今朝このニュースを見たからであります。

訪問介護の現場の人手不足を解消するため、厚生労働省はこれまで別々の事業所が担っていた訪問介護と通所介護のサービスを、ひとつの事業所が提供できるようにし、通所の人材を訪問でも活用できる新たな介護サービスの案をまとめました。

在宅で受けられる介護保険のサービスには、ヘルパーが自宅を訪れる「訪問介護」とデイサービスのように利用者が施設に出向く「通所介護」がありますが、このうち訪問介護の現場では、昨年度の有効求人倍率が15.53倍と、施設で働く介護職員の3.79倍を大きく上回り、人手不足が深刻になっています。

厚生労働省はこうした状況を解消するため、これまで別々の事業所が担ってきた訪問介護と通所介護のサービスをひとつの事業所が提供できるようにし、通所の施設で働く人材を訪問でも活用できる新たな介護サービスの案をまとめました。

それによりますと、新たな介護サービスは、地域の高齢者が住み慣れた環境で介護を受けられるよう「地域密着型」とし、質を維持するため利用者に定員を設け29人以下とするとしています。

また、ひとつの事業所が訪問と通所の両方のサービスを担うことで、利用者の体の状況やニーズなどに関する情報がスムーズに共有されることが期待されています。

厚生労働省は、来週開かれる審議会で案を示して専門家の意見を聞いたうえで、年末に向けて正式に決定したいとしています。
訪問介護の人手不足解消へ 通所の人材を活用 新たなサービス案、2023年10月31日 6時22分

こんな小手先の制度いじりでは、まったくもって人手不足解消につながらないのは明らかなのであります。

つまり、すでに人手不足の通所の人員を訪問に移動するだけであり、かえって通所サービスの人手不足を悪化させるだけだからであります。

そもそも介護サービスの人員不足の根本原因は、その賃金の安さにあるのであります。

特に給与の低さに関しては介護福祉士の推定平均年収は330万円とされており、全業種の440万円と比べると大きな開きがあります。

また、最低の年収では190万円という数字もでており、生活していくことが厳しいような給与で働いている介護福祉士も存在します。

参照:介護求人ナビ介護の仕事の年収・月収はいくら? 職種別の平均給料がまるわかり!
介護業界の人手不足を解消するには?|対策と事例を徹底解説、更新日:2023.10.30

平均年収330万では、特に都会で家賃を払いながら家族で生活することは不可能と言わざるを得ないのであります。

そしてこの安さは、介護保険制度からくるものであり、いかに制度設計がずさんであったことがわかるのであります。

つまりは、介護保険制度を改善しない限り、介護サービスの人手不足解消は絶望的なのであります。

タクシー業界の人手不足問題

話しは変わるのでありますが、例にもれずタクシー業界も人手不足なのであります。その対策として今言われているのが、ライドシェアと呼ばれシステムなのであります。

なぜか、様々な地域の人たちがこのシステムを、まるでタクシー業界人手不足問題の切り札のように取り上げているのであります。

しかしながらKAIは、このシステムに大反対なのであります。

一番の理由は、日本と言う私たちの社会は、安全性と言う信頼の社会で成り立っているからであります。

もしライドシェアで事故が起きたなら誰がその責任を負うのでありましょうか。

タクシーならタクシー会社がその責任を負いますが、ライドシェアは恐らくそのシステムを運営する会社は、法的責任を忌避すると思うのであります。

ライドシェアのドライバーとなる個人の人々には、もとより任意保険ではこの事故の乗車の人に対する保障は担保されてはいないのであります。

これ以外にも反対する理由は、様々あるのでありますが、究極の理由がこちらであります。

ライドシェア自体が日本の慣習や実情に合わない
――ウーバーの主力事業であるライドシェア。日本では参入できていません。

現在、日本でライドシェアに参入する計画はまったくない。日本の法律ではライドシェアは認められていないからだ。日本では法律を守ったビジネスを求める感覚が非常に強い。そのことは過去に手痛い目にあってよく知っている。その国の地域性に合わせた事業展開をすることが大切だ。

――法律で認められればライドシェアを始めますか。

それは現実的ではない。ライドシェア自体が日本の慣習や実情に合わない、と考えている。日本ではタクシー会社とパートナーシップを組み、今後もタクシーの配車アプリを展開していく。日本のタクシー会社、日本人のドライバーによるサービスこそが乗客のすばらしい乗車体験を作れると考えているからだ。
ウーバーは日本のライドシェアを断念したのか、日本のモビリティトップが語る「現実と期待」、中野 大樹 : 東洋経済 記者、2019/08/30 5:20

つまりは、日本ではライドシェアは実現しないと思うのであります。

では、タクシー業界の人員不足解消はないのか、と言いますれば、あるのであります。

ポイントは、業界の賃金制度、歩合制なのであります。

タクシードライバーが、このコロナ過で会社を去っていた主たる理由は、利用客の減少による手取りの減少であります。

会社を去っていった人々は、すでに定職についていると思われるのでありますが、もちろんこの歩合制の賃金の会社には就職していないのであります。

彼らを呼び戻す方法は、ただ一つ、歩合制ではない年俸保障制度の導入しかないのであります。

幸い、現在のタクシー需要は旺盛なのであります。これに合わせたタクシードライバーに対する年俸の提示こそ、今の業界の人員不足に対する切り札となるのであります。

やはりすべての人員不足の問題には、給与が関係しているのだと言う真実であります。 KAI

今回は、コロナワクチン、「mRNAワクチン」に欠かせない技術を開発したカリコ博士と「mRNAワクチン」についてのお話なのであります。

カリコ博士の業績を伝える記事が、こちらであります。長文引用ですが、NHKは時間がたつと消えますので、ご容赦いただきたいのであります。

新型コロナウイルスの発症と重症化を防ぐ「切り札」と期待されるワクチンの1つ「mRNAワクチン」に欠かせない技術を開発したことで知られ、世界的に注目される科学者、カタリン・カリコ博士がNHKの単独インタビューに応じ「ワクチンを導入した国では効果が確認されている。希望を持って欲しい」と日本の私たちに向けてメッセージを述べました。

苦難の連続

ハンガリー出身の科学者、カタリン・カリコ博士は、大学卒業後アメリカに渡り、遺伝物質の1つ「mRNA」の研究を行いました。
しかし、研究成果はなかなか評価されず、助成金の申請を企業に断られたり、所属していた大学で役職が降格になったりするなど、40年にわたる研究生活は苦難の連続でした。

2005年には、当時同僚だったドリュー・ワイスマン教授と、今回のワクチンの開発につながる革新的な研究成果を発表しましたが、これも注目を集めることはなく、その後大学の研究室を借りる費用も賄えなくなり、2013年にドイツの企業ビオンテックにうつりました。

遺伝物質「mRNA」は、体内に入れるとすぐに分解されるほか、炎症反応を引き起こしてしまうため、長年、薬などの材料として使うのは難しいと考えられていました。
しかし、カリコ博士らはmRNAを構成する物質の1つ「ウリジン」を「シュードウリジン」に置き換えると炎症反応が抑えられることを発見。
この技術を用いて去年、新型コロナウイルスのワクチンが開発されました。

現在、日本で接種が始まっているファイザーとビオンテックが開発したワクチンとモデルナのワクチンは2つともこの技術を使っていて、欧米の研究者などからは、実用化の鍵を握るこの研究成果はノーベル賞に値するという声もあがっています。

「本当のヒーローは医療従事者など」

カリコ博士は今回、NHKの単独インタビューに応じ「物事が期待通りに進まない時でも周囲の声に振り回されず、自分ができることに集中してきた。私を『ヒーローだ』という人もいるが、本当のヒーローは私ではなく、医療従事者や清掃作業にあたる人たちなど感染のおそれがある最前線で働く人たちだ」と述べました。

そのうえで、日本の私たちに向けて「接種が進んだ国では普通の生活に戻りつつあるところもあり、ワクチンの効果は確認されている。もうしばらく注意深く過ごさなければならないが、希望を持って欲しい」と述べました。

「mRNAワクチン」とは

ファイザーとビオンテックが開発したワクチンとモデルナのワクチンは、ともに「mRNAワクチン」と呼ばれています。

新型コロナウイルスの表面には「スパイクたんぱく質」と呼ばれる突起があり、ウイルスはここを足がかりとして細胞に感染します。
遺伝物質のmRNAは、この突起の部分のいわば「設計図」にあたり、ワクチンを接種すると、これをもとに、細胞の中でウイルスの突起の部分だけが体内で作られます。

そして、この突起によって免疫の仕組みが働き、ウイルスを攻撃する「抗体」などが体内で作られるため、あらかじめワクチンを接種しておくと発症や重症化を防ぐ効果があるとされています。

mRNAをワクチンに用いるアイデアは以前からありましたが、体内に入れると異物として認識されて炎症反応が起きることなどから、研究者の間では実現は難しいと考えられていました。

こうした中、カリコ博士は当時同じペンシルベニア大学にいたドリュー・ワイスマン教授との共同研究で、細胞の中にある「tRNA」と呼ばれる別のRNAは炎症反応を起こさないことに注目。

mRNAを構成する物質の1つ「ウリジン」を、tRNAでは一般的な「シュードウリジン」に置き換えると炎症反応が抑えられるとする論文を2005年に発表しました。

さらに2008年には、特定のシュードウリジンに置き換えることで、目的とするたんぱく質が作られる効率が劇的に上がることも明らかにしました。

カリコ博士らは、基礎医学の発展に寄与した功績が認められ、ノーベル賞受賞者も多く受賞しているアメリカの医学賞、ローゼンスティール賞を去年受賞しました。

この賞の選考委員会で議長を務めるジェームズ・ヘイバー氏は「カリコ博士らの研究はmRNAワクチンの開発にとって、最も重要なものだった。ウイルスとの闘いを根本から変える驚異的な成果で、今後はこの技術を使って多くのワクチンが迅速に作り出されるだろう」と評価しています。

苦節40年 母国を離れて

ハンガリー生まれのカリコ博士は首都ブダペストから東におよそ150キロ離れた地方都市で育ちました。親は精肉店を営んでいました。

大学で生化学の博士号を取得したあと、地元の研究機関で研究員として働きましたが、研究資金が打ち切られたことから1985年、夫と娘の3人でアメリカに渡りました。

当時ハンガリーは社会主義体制で、外国の通貨を自由に持ち出すことができなかったため、出国の際、カリコ博士は2歳の娘が持っていたクマのぬいぐるみの中に全財産の900ポンドをしのばせてアメリカに持ち込んだということです。

アメリカでは、ペンシルベニア州のテンプル大学やペンシルベニア大学で研究員や助教として働き、mRNAなどの研究に没頭。

しかし、研究成果はなかなか評価されず、助成金の申請を企業から断られたり、所属していた大学の役職が降格になったりするなど苦難の連続だったといいます。

そうした中、ペンシルベニア大学の中でコピー機を使う際に言葉を交わしたことがきっかけでHIVのワクチン開発の研究をしていたドリュー・ワイスマン教授と知り合い、2005年、今回のワクチン開発に道をひらく研究成果を共同で発表しました。

しかし、この論文も当時は注目されず、2010年には関連する特許を大学が企業に売却してしまいました。

多くの研究者がその可能性に気付かない中、ドイツの企業ビオンテックはこの研究成果に注目。企業に招かれたカリコ博士は2013年に副社長に就任、おととしからは上級副社長を務めています。

去年3月、ビオンテックは以前から共同で研究していたアメリカの製薬大手ファイザーとmRNAを用いた新型コロナウイルスワクチンの開発を開始すると発表。臨床試験で95%という高い有効性を確認したとして世界を驚かせたあと、共同開発の発表からわずか9か月後の去年12月に一般の人へのワクチンの接種が開始。カリコ博士らの功績が世界に認められることになりました。

「パンデミック収束への希望を与えた」

アメリカ政府の首席医療顧問をつとめるアンソニー・ファウチ博士は、ことし2月「1年を待たずに2種類のワクチンができた。この2つはともにmRNAワクチンで、90%以上の高い有効性を示している。そして、いずれもカリコ博士らが2005年に発表した研究成果が土台となっている。世界にパンデミック収束への希望を与え、ワクチンのさらなる可能性を開いた」と述べ、カリコ博士らの研究成果を評価しました。

またイギリスの新聞、ガーディアンは「カリコ博士は新型コロナワクチンの技術のパイオニアだ。研究者としての環境を求めてクマのぬいぐるみにわずかなお金を隠してアメリカに渡った研究者が、今ではノーベル賞の有力候補といわれている」と報じています。

また、フランスのニュース専門チャンネル「フランス24」は「カリコ博士は研究者の中心から外れたところで何年も過ごした。カリコ博士と、共同研究者のワイスマン教授は今ではノーベル医学・生理学賞の本命候補となっている」と伝えています。

ペンシルベニア大学の上級研究員、村松浩美さんは、10年以上にわたってペンシルベニア大学やドイツの企業でカリコ博士とともに研究してきました。

村松さんは「研究が趣味のような人で、『土日は家で論文が読める』などと言ってとにかく毎日、論文を読んでいた」と研究に没頭するカリコ博士の様子を振り返りました。

さらに「予想とは違っても実験で出た結果を大事にする人だった。結果のよしあしに引きずられず、データを受け止めて研究を進めた。これが本当の科学だと思った」と述べました。

また「彼女のような革新的な研究であっても助成金がもらえないケースがあるのだから、ノーベル賞級の成果だったとしても、人目につかないまま消えていったものがたくさんあると思う」と述べました。
“革新的”研究成果がコロナワクチン開発に 女性科学者の思い、2021年5月27日 18時50分

もう、この記事だけでカリコ博士については十分なのでありますが、今回のエントリーの本題は、これからであります。

まずは、用語の理解から始めるのであります。

mRNAワクチンの「mRNA」とは?

これを説明する記事が、こちらであります。

 ウイルスからヒトに至る多くの生物は遺伝子;DNAを持っています。DNAは、主に、生命活動の維持に不可欠な、タンパク質を合成するための設計図として機能しています。DNA上の遺伝情報は、先ず、メッセンジャーRNA(mRNA)と呼ばれる物質へコピーされ、mRNAの情報をもとにタンパク質が作られます。この「DNA→mRNA→タンパク質」という細胞内における遺伝情報の流れは、生命の営みの基本的かつ普遍的な反応であるため、“分子生物学のセントラルドグマ”と呼ばれています。したがって、これらの反応の詳細なメカニズムを解明できれば、生命現象の根本を理解することができます。
DNAからmRNAへ転写される反応のメカニズムを世界で初めて解明 - 分子生物学のセントラルドグマ解明の手がかりをつかむ - 、理化学研究所、Dmitry G. Vassylyev、横山 茂之
すなわち、mRNAワクチンとは、コロナウィルスの抗体を作るために、ウィルスの持つDNAそのものではなく、DNAをコピーしたメッセンジャーRNA(mRNA)をワクチンとして使用して接種するものであったのであります。

そこで問題となりますのが、そもそもワクチンとは、一体どのようなものであるのか?

今回のmRNAワクチンの科学的解説をした以下の記事を参考に、批判を恐れずにKAIが、超要約を試みたいと思うのであります。

mRNAワクチン:新型コロナウイルス感染を抑える切り札となるか?、投稿者 飯笹 久(島根大学学術研究院医学・看護学系)

ワクチンには2種類ある

それは、概ね以下の2種類に分類される。

■生ワクチン(弱毒化ウィルスを使用)

■不活性化ワクチン(死んだウィルスを使用)

■生ワクチン(弱毒化ウィルスを使用)

・弱毒化されてはいるが、実際の感染と同じ効果があるが、ウィルスの弱毒化には数年単位の時間が必要。

・中和抗体産生(液性免疫効果)

・T細胞活性化(細胞性免疫効果)

■不活性化ワクチン(死んだウィルスを使用)

・インフルエンザワクチンと同じ方法。

・感染しないので、感染による中和抗体は産生できない。

・細胞性効果による重症化を抑えるのが目的とされる。

今回開発されたのが、第3のワクチンであります。

■mRNAワクチン

・新しいアイデアは、RNAをLNPと呼ぶ脂質キャリアでワクチンにして、細胞に送り込むというものです。

・その際、DNAのコピーであるmRNAが、カリコ博士の発見による方法を取ることによって、TLRと呼ぶ自然免疫を突破し大量の抗体を作ることに成功した。

超要約は、ここまでであります。

みなさま、いかがでありましょうか。

KAIは、今回のファイザーとモデルナのワクチンに、あらためて賞賛のエールを贈りたいと思うのであります。

これで、人類のコロナとの戦争を終結させることができる。大きな希望を与えてくれたワクチンに、感謝しかないのであります。 KAI

不登校がやってきた(2)

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この番組を見たのであります。

わたしは3人の子を持つディレクター。そのうち2人が不登校だ。

2年前、我が家の不登校事情を描いた「不登校がやってきた」を放送。続いて「不登校がやってきた2」では、全国各地にいる不登校まっただ中の子供たちのもとに出向き、彼らの声に耳を傾けた。

不登校になったきっかけや学校や先生に対する不満や怒り、将来への不安。子どもたちの率直な言葉に、視聴者からたくさんの反響が寄せられたが、意外だったのは小中学校の先生たちから多くの反応があったことだ。

「子供たちが苦しむような学びの場しか用意できず申し訳ない。」「番組を見た教員たちから『学校はこのままではヤバい』との声も聞かれた。」先生たちも悩んでいた。

そこで今回は、先生たちと不登校について語り合うことにした。

全国の公立の小中学校を訪ね、40人の先生と対話を重ねた。不登校の兆しが見えたらどうする?不登校になった子へのアプローチは?変わるのは子ども?学校?学校でしか学べないことって何?学校はどうあるべき?

さまざまな問いかけに先生たちは真剣に答えてくれた。我が家で不登校が始まった6年前に比べると、先生たちの不登校に関する理解は進んでいると感じた。一方で、今の学校の枠組みの中で対策を講じることの難しさや限界も見えてくるのだった。

学びとは何か、教育はどうあるべきか…。不登校をめぐる先生たちとの対話と通じて、これからの学校や教育のあり方を考える。
不登校がやってきた3「先生たちも悩んでる」【NHK BS1】8月31日(木)20:30、更新日:2023年8月21日

この番組を見て、不登校問題の対応の問題点について、あらためて認識を新たにしたのであります。

すなわち、不登校問題とは、先に引用した文部科学省の対応のように、落とし穴にはまった子供たちにいかに梯子を差し伸べるかと言うことに特化し、教師が子供を落とし穴に背中を押して落とさないようにするにはどうすればいいか、いかに不登校を減らすかと言う視点の欠如が問題であるとの理解であります。

児童と教師の関係でおきうる問題は、それが教育と言う限られた環境とは言え、力関係でいえば上下関係のある人間関係の、きわめて一般的な人間関係で起きる問題に通底していると、KAIは従来から考えてきたのであります。

でありますれば、上下関係のある個人間の問題解決には、一般的な問題解決の方法しかないように、以前から考えていたのであります。

これはつまり具体的には、学校ごとに、学校や教育委員会と独立した、様々ないじめや教師の理不尽な問題に相談できる法的に対応できる公的相談員を常設するしか方法はないと考えていたのであります。

番組で不登校を減らす方法として今回教師たちから提案だったのが、定員20人であります。確かに、一人の教師で認識できる子どもの人数には限りがあります。しかしながら人数を減らしたところで、子供対教師は1対1であります。必ず問題は起きると考える必要があるのであります。

この問題が発生しうる状況が生じたとき、学校、警察、教育委員会、親、すべての利害関係者と独立した、独立教育現場相談員の存在こそ、この問題の解決になると考えるのであります。

もちろん相談員は、資格者でありますが、すべての学校での業務を国が身分を保証し、不登校児童の発生抑制をその成果とするのであります。

議員さん、真剣に考えてみてはいかがでしょうか。

と、ここまで考えたのでありますが、もう少しよく考えますれば、もっと実現可能な方法があるのであります。

それは養護教諭の活用であります。

養護教諭向けの新たな資格制度を設け、取得を義務付けるのであります。

この資格があれば、学校や教育委員会と独立して、子どもから相談を受けたいじめや担任教師の理不尽な対応に対して、問題解決のための指揮命令をできる権限が与えられるのであります。

現状では、子どもが学校で相談できるのが担任の教師くらいしかいない状況の中で、担任教師が問題の当事者であったならば、子どもはなすすべがないのであります。

常駐の養護教諭であれば、子どもは保健室と言う閉ざされた空間の中で気軽に相談することができるようになるのであります。 KAI

不登校がやってきた

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久しぶりに面白い番組をみたのであります。

小学4年のわが子が突然不登校になった。私はテレビディレクター。自らカメラを回し記録した親子の葛藤。学校とは?教育とは?家族とは?不登校が教えてくれた学びの真実!

小学4年のわが子が突然不登校になった。学校に行かせるべきか?子供の気持ちを優先し休ませるべきか?私はテレビディレクター。一体どうするのが正しいのか。みずからカメラを持ち、子供が通う学校、フリースクールからそして全てを親が教えるホームスクールまで、様々な現場を訪ね歩いた。初めて知った“不登校の真実”。様々に揺れ動く親としての思い、刻々と変わる子供と家族の姿。学校とは教育とはその本質に迫るこん身の記録
「セルフドキュメンタリー“不登校がやってきた”」、初回放送日: 2021年2月23日

そして今晩放送されるのが、こちら。
わたしは3人の子を持つディレクター。そのうち2人が不登校だ。

2年前、我が家の不登校事情を描いた「不登校がやってきた」を放送。続いて「不登校がやってきた2」では、全国各地にいる不登校まっただ中の子供たちのもとに出向き、彼らの声に耳を傾けた。

不登校になったきっかけや学校や先生に対する不満や怒り、将来への不安。子どもたちの率直な言葉に、視聴者からたくさんの反響が寄せられたが、意外だったのは小中学校の先生たちから多くの反応があったことだ。

「子供たちが苦しむような学びの場しか用意できず申し訳ない。」「番組を見た教員たちから『学校はこのままではヤバい』との声も聞かれた。」先生たちも悩んでいた。

そこで今回は、先生たちと不登校について語り合うことにした。

全国の公立の小中学校を訪ね、40人の先生と対話を重ねた。不登校の兆しが見えたらどうする?不登校になった子へのアプローチは?変わるのは子ども?学校?学校でしか学べないことって何?学校はどうあるべき?

さまざまな問いかけに先生たちは真剣に答えてくれた。我が家で不登校が始まった6年前に比べると、先生たちの不登校に関する理解は進んでいると感じた。一方で、今の学校の枠組みの中で対策を講じることの難しさや限界も見えてくるのだった。

学びとは何か、教育はどうあるべきか…。不登校をめぐる先生たちとの対話と通じて、これからの学校や教育のあり方を考える。
不登校がやってきた3「先生たちも悩んでる」【NHK BS1】8月31日(木)20:30、更新日:2023年8月21日

ということで、今回は珍しく不登校問題について考えてみるのであります。

冒頭引用の番組の中で、不登校になった児童が語っているのが、不登校の引き金を引いたのは教師の言葉であったと言う事実であります。

これはある意味、不登校と言うのは落とし穴でありまして、教師が児童の背中を押してこの落とし穴に落とすようなものであります。

そしてこの落とし穴に一旦はまってしまうと、一人で抜け出すことができなくなってしまうのであります。

このことから、原因となった教師を何かただしてみても、なんら解決にならないことは、容易に想像できるのであります。

この落とし穴から抜け出すために、フリースクールのような梯子となるための手助けが必要となるのであります。

このことについて、わかりやすく解説したホームページがありますので、ご覧いただきたいのであります。

文部科学省 フリースクール・不登校に対する取組

 KAI

先日観たNHKの再放送は、番組制作者の意に反して、まことにもってなんとも後味の悪いものであったのであります。

7月1日、日本でのラストマッチを終えたイニエスタ。神戸を愛し神戸に愛されたサッカー界の至宝が退団を決意した背景に何が?【語り】森山直太朗

今回、NHKはイニエスタを支えるスタッフが密着撮影した未公開の映像を入手。そこには2022-23シーズンの「知られざるイニエスタ」が記録されていた。出場機会を失う中にあってもチームを鼓舞する姿、家族とも向き合いながらプレイヤーとして葛藤する日々、年齢を重ねてもプレーを続けることについての三浦知良との対談など。イニエスタが最後まで神戸に残そうとしたものは?自身が神戸でもらったかけがえのないものとは?
永遠の“キャプテン” アンドレス・イニエスタ、初回放送日: 2023年7月24日

入団以来主将としてヴィッセル神戸にとてつもない貢献をしてきたイニエスタに対して、シーズン中に突然出場機会を奪うなど、チームは明らかに異常な対応を始めたのであります。

その結果のイニエスタの退団であったのでありますが、端からイニエスタの放出が目的であったと言えるのであります。

もちろんこれは三木谷オーナーの指示によるものであることは明らかなのでありますが、なぜいまイニエスタを放出する必要があったのでありましょうか。

これを説明するのが、こちらの記事にあるのであります。

楽天グループの財務は危機的な状況だ。携帯電話事業の資金流出が止まらないまま、5年で1.2兆円もの社債償還ラッシュを迎える。三木谷浩史総帥を救う巨大スポンサーは現れず、楽天証券、楽天銀行の一部売却だけでは済みそうもない。特集『楽天 解体寸前』の#4では、「楽天解体のカウントダウン」のシナリオに迫る。(ダイヤモンド編集部 村井令ニ)
楽天「余命1年」の危機!1.2兆円社債償還ラッシュで“解体”カウントダウンが始まる、2023.6.30 5:25
有料会員限定の記事ではありますが、楽天グループが財務危機に陥っていることを解説しているのであります。

こうした状況の中、グループ全体に一斉に財務引き締めの号令がかかったことは間違いないのであります。

当然のように年俸20億円とも言われるイニエスタも、例外ではなかったのであります。

しかしながら、三顧の礼で迎えたイニエスタを、出場機会を奪うと言う、まるで蹴って追い出すかのようなやり方、正にこれに冒頭申しあげました「後味の悪さ」を感じたのであります。

最後まで出場機会を保証したうえで円満退団に、なぜできないのか、きわめて陰湿と言わざるを得ないのであります。

イニエスタ選手の今後の活躍を祈るばかりであります。 KAI

昨日NHKEテレで笑わない数学 「abc予想」の再放送をみたのであります。

そして久しぶりに、宇宙際タイヒミュラー理論に出会ったのであります。

これについて言及しましたのが、11年前の以下のエントリーであります。

知の爆発−−直感を疎かにしてはいけない(4)、投稿日:2012年9月23日

今回は、このエントリーの再掲であります。


知の爆発−−直感を疎かにしてはいけない(4)、投稿日:2012年9月23日

今週は、この情報に、KAIの心は大きく揺さぶられているのであります。

 現代の数学に未解明のまま残された問題のうち、「最も重要」とも言われる整数の理論「ABC予想」を証明する論文を、望月新一京都大教授(43)が18日までにインターネット上で公開した。

 論文は4編の500ページ。整数論の代表的難問であり、解決に約350年かかった「フェルマーの最終定理」も、この予想を使えば一気に証明できてしまうことから、欧米のメディアも「驚異的な偉業になるだろう」と興奮気味に伝えている。

 ABC予想は1985年に欧州の数学者らによって提唱された。AとBの二つの整数とこれらを足してできる新たな整数Cを考え、それぞれの素因数について成り立つ関係を分析した理論で、整数の方程式の解析では「最も重要な未解決の問題」とも言われる。

 望月教授は米プリンストン大数学科を19歳で卒業、京大助手などを経て現職。
難問「ABC予想」解明か 望月京大教授 話題沸騰

これから「ABC予想」なるものがいかなるものか、じっくりとご説明するのでありますが、まずもって今回のビッグニュースの本質は、まったく別のところにあるのであります。

それは、望月教授がご自身の「内的過程」を明らかにされるかどうかは別にして、今回の成果がコンピュータグラフィックスの「大進化」の延長線上にあると、KAIは確信するのであります。

この「ひも」と言う概念が直観的にわかりやすいこともあって一見とっつきやすそうでいて、いざ取り組み始めると、たちまち10次元、11次元といったトポロジー空間のお話になって、ではこれを数理的にどう処理すればいいか、皆目見当がつかない、そう言うとんでもない「理論」であったのであります。

それがいまでは、若い研究者の間で、苦も無く数理計算ができるようになったと言うのが、さきほどの3次元宇宙誕生のシミュレーションの研究と言うわけであります。
知の爆発−−直感を疎かにしてはいけない

いままでであれば、紙とエンピツが「武器」と言われた、理論物理と数学の世界。これが高次元トポロジー空間をコンピュータグラフィックスでシミュレーションできるようになって、一変した。この結果の、今回の研究成果であります。

そこで、であります。

「ABC予想」とは、なんであるかであります。

それは、「素数」の集合の大きさがどの程度のものか、これを予想するものであります。

これをもう少し具体的に理解するためには、そもそも「素数」とはいかなるものか、まずもってこの勉強から始める必要があるのであります。

素数とは、ただ2つだけの正の約数を持つ自然数、すなわち 1 と自分自身のみで割り切れる自然数かつ 1 でない数と定義される。例えば、5 の正の約数は 1, 5 だけなので素数である。一方で 4 は、正の約数が 1, 2, 4 なので素数でない。2以上の自然数で素数でないものを合成数と呼ぶ。
素数、Wikipedia

すなわち、自然数とは、素数と、その素数を掛け合わせたできた合成数、この2種類だけの数から成り立っていると言うことであります。

当然、自然数が無限に存在するように、素数も合成数も無限に存在するわけであります。

それぞれ無限に存在するけれども、常に以下の関係が成り立つことは自明であります。

素数の集合 < 合成数の集合

そこで、「ABC予想」であります。

A、B、Cと3つある自然数がそれぞれ持つ異なる素数をすべて掛け合わせた合成数(L)と、Cとの大きさを比較するものとする。

但し、A+B=Cで、AとBは互いに素であるとする。

ここでLのd乗を、L(d)と書くことにすると、「ABC予想」とは次のようになるのであります。
  • 1<d<2の場合

    L(d)<Cを満たすLの集合は有限である。

  • d=2の場合

    L(d)<Cを満たすLの集合は存在しない。
    (L(2)>Cが常に成立する)

すなわち、一部の素数の集合とその関連する自然数の大きさの比較の次元数が2であるということであり、この次元数以下の素数は有限にしか存在しないと言うことであります。

もしこの予想が証明されたとすると、これは暗号解読にとってきわめて重要な制約条件となるのであります。つまり解読効率の大幅な向上であり暗号アルゴリズムにとって、セキュリティ上の重大危機であります。

そこで、であります。

望月教授の、「証明」であります。

Inter-universal Teichmuller Theory I: Construction of Hodge Theaters.

KAIのレベルでとても読みきれるものではありませんが、この理解のヒントになるのが、こちらの説明であります。

IUTeichって何?「そっくりアニメ」による解説

望月教授が打ち立てた宇宙際タイヒミュラー理論(Inter-universal Teichmuller Theory)とは、フラクタル構造を持つ多次元トポロジー空間ではないかと想像するのであります。

「そっくりアニメ」で描かれている入れ子構造をフラクタル構造と言うのでありますが、このフラクタル構造を理解するうえでもっとも重要な概念が「被覆次元」と言う概念であります。例えば「被覆ハウスドルフ次元」と言うものがあるのでありますが、簡単にこれをご説明すると次のようになるのであります。

l(d)+l(d)+ ・・・ +l(d)=Sdとすると、
(l(d):被覆切片の長さlのd乗、Sd:測度(l(d)の総和))

被覆ハウスドルフ次元(D)とは以下のように定義される。

d<Dのとき、Sd≠0
D<dのとき、Sd=0

あるいは、

d<Dのとき、Sd=∞
D<dのとき、Sd<∞

いかがでしょうか。最初にご説明したABC予想の式と、これは「なんとなく」似ているとは思いませんか。

つまり、ABC予想における被覆ハウスドルフ次元とは「2」であるとの「類似」であります。

すなわち、このD=2より小さい乗数dの場合にのみ、これを満たす測度が有限に存在し、D=2より大きい乗数dの場合は、d乗の測度は一切存在しなくなる、と。

実際問題、望月教授の、宇宙際タイヒミュラー理論とは、この高次元トポロジー空間の構造自体を「宇宙」として定義することにより、この「宇宙」同士がフラクタルに「接続」するための「ルール」を、テータ関数(被覆次元の拡張)を使ってパターン化する「理論」であると、KAIは、勝手解釈するのであります。

これが、いかに画期的「理論」であるかは、すでに欧米メディアが伝えるところではありますが、これはこの「宇宙際タイヒミュラー理論」が、理論物理で言うところの「大統一理論」の「性格」を有しているからであります。

「素数」とは、数論における「素粒子」であります。

「素数」は無限に存在するとは言え、その「素数」そのものの実態は、依然よくわかっていないのが現状であります。

もしかしたら、この「宇宙際タイヒミュラー理論」によって、「素数」そのもの同士の関係が解き明かされるかもしれない。

21世紀の「知の爆発」は、とどまることを知らないのであります。 KAI

いよいよウクライナ軍による反転攻勢が始まるのであります。

果たしてこの戦いはどのような形で展開するのか。これを占うキーワードが「形成作戦」と呼ばれる作戦なのであります。

(CNN) ウクライナ軍が予想されるロシア軍への反転攻勢を前に、準備段階に当たる「形成」作戦を開始したことが分かった。米軍や欧米当局の高官がCNNに明らかにした。

形成作戦の内容には、部隊の進軍に備えて戦場の状況を準備するため、武器集積所や指揮所、装甲車、火砲を攻撃することが含まれる。大規模な連合作戦の前に行われる標準的な戦術となっている。

ウクライナが昨年夏に南部と北東部で反攻を仕掛けた際にも、事前に航空攻撃で戦場を形成する作戦が行われた。米軍高官によると、こうした形成作戦は、予定されるウクライナの攻勢の主要部分の前に何日も続く可能性があるという。
ウクライナ軍、反攻に向けた「形成」作戦を開始 米軍高官、2023.05.12 Fri posted at 11:43 JST

すでにこの形成作戦は開始されているようでありますが、この作戦の主な目的は、ロシアの支配地域にいるロシア軍の兵站を断つことであります。

すなわち、ウクライナ領土内にあるロシア軍のすべての補給基地への攻撃により、補給基地をロシア領土に後退させることであります。これを反転攻勢と並行して行うことで、ロシア軍の前線部隊を弱体化し、前線突破を図っていくことができるのであります。

更に、ロシア軍が築いている3重構造の防衛線の突破でありますが、以下のNHKのビデオにその方法が詳しく解説されているので、ご覧いただきたいのであります。

大規模な反転攻勢をめぐり、ウクライナの国家安全保障・国防会議のダニロフ書記が、27日までにイギリスのBBCのインタビューに対し「あす、あさって、あるいは1週間以内に始まる可能性がある」と発言しています。

一方、ロシア側は、戦況がこう着した去年夏ごろから、ウクライナの反撃を阻止するため、支配地域に幾重もの防衛線を築いてきました。イギリス国防省はザポリージャ州では、ロシア軍がおよそ120キロにわたって3重の防衛線を築いていると明らかにしています。

防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんの解説です。

(5月27日の「サタデーウオッチ9」で放送された内容です)
(動画は8分24秒。データ放送ではご覧になれません)
【兵頭慎治さん動画解説】ロシア軍が築いた3重の防衛線とは、2023年5月29日 19時08分

これらの反転攻勢は、恐らく半年以上続くと考えられているのでありますが、北東地域の前線突破を契機に、次第に南部地域へと戦線が拡大すると、KAIは考えているのであります。

これであれば、南部地域へ3重構造の防衛線の内側から攻撃することができ、ロシア軍に大打撃を与えることが可能になるのであります。

そして、最終局面はクリミアの奪還であります。

形成作戦でクリミアの部隊の兵站を断ち、ロシア軍を孤立させるのであります。

ロシア軍の反撃は相当激しいものになるのでありますが、兵站を断たれた以上、もって半年、ウクライナの勝利となって終戦を迎えることになるのであります。

もちろんこれはKAIの強い願望ではありますが、下記エントリーで述べました通り、ウクライナ軍の士気は非常に高く、必ずや彼らはこれを成し遂げると思うのであります。

更に、これを裏付けるのが、両軍の士気の圧倒的違いであります。

ウクライナの士気は、ロシアへの強い怒りであり、一方のロシアは戦闘の強制による恐怖に支配された士気であります。

兵力における大きな差がない以上、明らかに最前線の戦闘能力における士気の優劣の差から、結果は導き出されるのであります。
ロシアの歴史的愚挙に思う(8)、投稿日:2023年1月31日

 KAI

このブログを始めて、なんと19年が経ったのであります。

このところエントリーアップが月一のペースではありますが、KAIにとって唯一の自前の情報発信の場になっておるのであります。

SNSを含めてどうしても自前でない場は、管理者の制限を受けざるを得ず、なかなか思い通りの自由な発信ができないのであります。

こんな中にあって、20年近くの長きにわたって、ドメインを維持できたことは、関係者のみなさまのご協力の賜物と、感謝申し上げるのであります。

それでは、ブログスタートのエントリー、「DBエンジン開発ストーリー」をご覧ください。 KAI