宇宙の年齢について、最新の研究によれば138億年とのことでありますが、これが大きく修正される可能性がでてきたのであります。
宇宙が誕生し、火の玉宇宙からどのように星や銀河が広がる宇宙になったのか、これまで大きな謎だった。最新の望遠鏡の観測によって、従来、見ることができなかった「宇宙の夜明け」の時代が明らかになってきた。天文学者も驚く天体が次々と見つかり、さらに謎が深まっている。宇宙の年齢に修正を迫る大胆な説も登場。人類が初めて目にした宇宙最果てのフロンティアに迫る。発端は、この番組で紹介されていた以下の研究であります。
(宇宙の夜明け 何がおきていたのか?、初回放送日:2025年2月27日)
広島大学宇宙科学センターの稲見助教、Algera研究員が参加する国際共同研究チームは、南米チリのアタカマ大型ミリ波・サブミリ波アレイ(ALMA)を使って、最も遠い、天の川銀河に非常に良く似た大きな回転円盤銀河を発見することに成功しました。現在の銀河形成の理論からすれば、宇宙誕生のごく初期に、天の川銀河に匹敵する大きさを持つ回転円盤銀河が存在していたとは、まったくもって考えられないのであります。現在の銀河の形成と進化に関する理解では、初期宇宙の若い銀河は、激しく衝突合体を繰り返すことでだんだんと成長するため、現在の銀河に比べて、より小さく、より複雑な形と運動をしていると予想されていました。今回、131億年前の宇宙(7億歳の宇宙)で見つかった、REBELS-25と呼ばれる若い銀河は、成長し切った銀河である天の川銀河に匹敵するくらいの大きさを持つ回転円盤銀河でした。
稲見助教は今回の発見について「宇宙誕生のすぐあとに、回転する円盤をもつ銀河が存在したとは驚きです。銀河がどのように形作られるのかについて、これまで理解を覆す可能性のあるエキサイティングな発見です」とその意義を語りました。
REBELS-25は宇宙が誕生してまだ7億年しか経っていない頃の銀河で、回転円盤を持つ銀河は存在しないと考えられていました。現在の理論では、複雑な形をもつ小さな銀河が、互いにぶつかって何十億年もの時間をかけてスムーズな回転円盤をもつよう進化していくはずなのですが、今回の発見はこの銀河成長のタイムスケールに疑問を投げかけるものです。そのため、私たちの天の川銀河とよく似た、回転円盤を持つ銀河がごく初期の宇宙で発見されたことは大きな驚きです。
(【研究紹介】最も遠い回転円盤銀河の発見、掲載日 : 2024年10月08日)
これは、銀河成長のタイムスケールの理論に誤りがあるのか、あるいは宇宙誕生そのものの理論に誤りがあり、これらを大きく見直す必要があることを示しているのであります。
これに対して、宇宙の年齢を267億年にすることで説明しようとする論文が現れたのであります。
宇宙の年齢が現在考えられているより2倍ほど長いことを示唆する研究が発表されました。オタワ大学のRajendra Gupta氏は、宇宙年齢は138億歳ではなく267億歳だと推定しています。この研究がもし正しければ、宇宙初期の大きな回転円盤銀河の存在を説明できるだけでなく、宇宙マイクロ波背景放射の観測結果やダークマターが存在しないことも説明できる(注1)とされているのであります。Gupta氏は、長い距離を進む際に光子がエネルギーを失うことで赤方偏移が発生するとする理論や、粒子間の相互作用を支配する物理定数である結合定数が時間とともに変化する可能性があるとする仮説などを取り入れて検討し、267億歳という宇宙年齢を導き出しました。
初期宇宙には、宇宙誕生から経過した時間の割に高度に進化した銀河が存在することが、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などの観測から知られています。Gupta氏は、宇宙年齢が伸びることで、より実現可能な説明を提供できるとしています。さらにGupta氏は、宇宙の加速膨張の原因となる暗黒エネルギーを表す「宇宙定数」の解釈を修正する必要があると示唆しています。【1分で読む宇宙ニュース】
(宇宙は138億歳ではなく267億歳!?、2023.07.13 17:30)
と言うことで、今回は引用だらけで失礼するのであります。 KAI